計画研究
組織損傷免疫応答がalpha-klotho変異マウスにおいて観察される多様な老化類似症状の発症に関わっていることを示唆されたこと、Rag2とalpha-klothoのダブルKOマウスの寿命が伸びることが観察されたことからalpha-klothoの変異が免疫系に及ぼす作用について解析した。KOマウスでは、CD4/8パターン、NK、NKT細胞の分化、ヘルパー・キラーT細胞の割合、T細胞、B細胞、顆粒球系、樹状細胞等のパラメーターには大きな差異がなく、また、SA-T(老化T細胞)は抹消には認められなかったが、メモリー分画の増加、胸腺上皮細胞の減少を示唆する結果が得られた。これらのことを総合して、(1)なんらかのantigen-driven immune responsesが関与していること、(2)TCR/BCRをバイパスした多クローン性の活性化機構が働いており、何らかの理由によるNFkB系のbypassed hyperactivationなどが推定された。一方、ファックスにより分泌型KlothoがNK細胞の特殊な分画、B細胞の一部と結合すること示唆されたことから結合分子の同定へと進めている。さらに、マクロファージの活性化機構の解析を進め、新規の活性化因子合成法を開発した。RNA seq技術を用いて膵臓のベーター細胞の増殖を担う増殖因子候補を同定し、膵ベータ細胞特異的 KOマウスを作成し、ベーター細胞の増殖を検討している。また、同様の手法によりベータ細胞の増殖を抑える因子の候補も同定し、膵ベータ細胞特異的 KOマウスを作成し、過度な増殖を抑える機構についての解析も進めた。alpha-klotho変異マウスではビタミンDが顕著に亢進していることから、脂質代謝、糖代謝の制御におけるビタミンDの役割を解明し、全く新しい作用点を解明した。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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