翻訳解析を行うための新たな技術を開発したことで、細胞に対して、環境ストレスなどの変化がmRNAの翻訳過程、ひいてはタンパク質の恒常性維持にどのように影響を与えているかを詳細に解析することが可能になった。また、精神・神経変性疾患モデルマウスを用いて、その脳内や神経細胞内での翻訳異常が社会性の欠如などの精神障害を導くことを見出した本研究によって、翻訳因子や翻訳制御に基づいた、精神障害に対する新たな治療戦略の開発に道を拓くと期待できる。したがって、本研究の成果は、生命科学の広い分野において波及効果を与えたと考えられる。
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