計画研究
1 翻訳アレストによるXBP1u mRNAの小胞体膜への標的化機構の解明(1) 翻訳アレストの強さは、XBP1u(S255A)>野生型XBP1u>XBP1u(W256A)の順に強く、XBP1uと分泌経路に重要な役割をするSRP及びトランスロコンとの結合を免疫沈降により調べた所、これらのコンポーネントも同じ傾向を示した。翻訳アレストを起こさないXBP1u(W256A)では、両者との結合は見られなかった。 (2) 同様に上記のXBP1u を培養細胞に発現し、その細胞内局在を蛍光抗体染色により調べた所、翻訳アレストの強さに比例して小胞体膜に局在化することが明らかとなった。 (3) 小麦胚芽抽出液を用いたin vitro翻訳系にSRPとミクロソーム膜画分を加え、新生鎖とmRNAとの膜画分への移行がSRP依存しているかどうかを調べた所、SRPに依存して膜画分へ移行することを証明した。2 翻訳アレスト機構の解析翻訳アレスト領域がリボソームのトンネルとどのように相互作用しているかは、光架橋法により現在解析中である。
2: おおむね順調に進展している
XBP1uの翻訳停止に依存して、SRP経路を利用して小胞体膜上に移動していることを、立証するデータを得ることができ、現在その結果を論文として投稿中である。
1 翻訳アレストによるXBP1u mRNAの小胞体膜への標的化機構の解明小胞体へのシグナル配列に相当するHR2は、小胞体膜上のトランスロコンまでは運ぶが、調べた限り小胞体膜内への挿入効率は低い。この理由を明らかにするために、HR2をN末に配置すると通常のシグナル配列として機能するかどうか、またHR2とポージング配列までの長さと膜への局在化効率との関係を調べ、小胞体内への輸送がXBP1u 蛋白質の場合どのように制御されているのかを明らかにする。2 翻訳アレストの分子機構の解析翻訳アレスト領域とリボソーム内との相互作用を光架橋によりどの分子と相互作用しているかを明らかにする。またXBP1u を酵母で発現し、翻訳アレストが起きるかどうかを調べる。もし効率良く起こるようであれば、酵母の系を使って解析を進めることも考えたい。ヒト由来のハプロイド細胞(KBM7細胞)を用いて、gene-trap mutagenesisを利用した遺伝子ノックアウトスクリーニングを行う系の樹立に苦戦をしているが、引き続きこの系の確立を目指す。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (21件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件) 備考 (3件)
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http://bsw3.naist.jp/kouno/
http://bsw3.naist.jp/courses/courses207.html
http://bsw3.naist.jp/eng/courses/courses207.html