計画研究
α-シヌクレイノパチーについては、神経細胞に病変が出現するパーキンソン病やレビー小体型認知症(DLB)と、オリゴデンドロサイトに蓄積する多系統萎縮症(MSA)に大別されるが、DLB患者、及びMSA患者脳から調製した異常型αシヌクレインのプリオン様活性を培養細胞モデルと野生型マウスへの接種実験によって検討した。その結果、細胞モデルにおいて合成線維はマウスへの接種実験においては一匹あたり0.1μgの脳内接種により病変形成が認められることを確認した。またMSA患者脳から抽出した異常型αシヌクレインは、DLB患者から抽出したものよりも高いプリオン様活性を示した。また、切断がαシヌクレインの伝播特性に与える影響について検討した結果、ヒトαシヌクレインのC末端およびN末端切断の両方が線維の多形を誘導し、異なる交差播種活性を示すことが判明した。N末端10または30残基切断したαシヌクレインから線維化したものは、野生型の線維よりも高い病変形成能を持つことが野生型マウスへの接種実験で確認された。FTLD/ALSの原因としてC9ORF72リピートが報告されているが、ATG非依存的翻訳により、ジペプチドリピートタンパク質(DPRs)を産生し、poly-GAの凝集体がTDP-43の細胞内凝集を誘導することを見出した。また、プリオン感染に関しては、頭蓋内投与では、M1プリオンもV2プリオンも100%感染が成立した一方、末梢ルートの感染ではM1プリオンは、129Met/Metでは感染せず129Val/Valで37.5%の率で感染が成立し、一方V2プリオンは129Met/Metの57%に129Val/Valでは94%の率で感染が成立することが明らかとなった。つまり、V2プリオンが明らかに末梢ルートでも感染しやすく、一方M1プリオンは感染しがたいことが感染実験から明らかとなった。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2019 2018 その他
すべて 雑誌論文 (10件) (うち国際共著 3件、 査読あり 10件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 4件、 招待講演 4件) 備考 (2件)
Brain Pathol.
巻: 29 ページ: 155-163
10.1111/bpa.12638.
Hum Mol Genet
巻: 27 ページ: 2658-2670
10.1093/hmg/ddy174.
J Biol Chem
巻: 293 ページ: 13910-13920
10.1074/jbc.RA118.001862.
Front Mol Neurosci
巻: 11 ページ: 273
10.3389/fnmol.2018.00273.
Neuropathology
巻: 38 ページ: 281-287
10.1111/neup.12442.
巻: 38 ページ: 171-178
10.1111/neup.12430.
Prion
巻: 12 ページ: 54-62
10.1080/19336896.
Acta Neuropathologica Communications
巻: 6 ページ: 5
10.1186/s40478-017-0503-z
Neuroscience Letters
巻: 668 ページ: 43~47
10.1016/j.neulet.2018.01.014
Biochem Biophys Res Commun.
巻: 496 ページ: 1055-1061
10.1016/j.bbrc.2018.01.119
http://www.igakuken.or.jp/project/detail/dementia.html
http://www.igakuken.or.jp/dementia/