計画研究
本研究班では、脳タンパク質老化の進展メカニズムの解明と精神・神経変性疾患の治療を最終目標として、生体脳イメージング技術を駆使した治療評価系の開発を目指している。本年度は、放医研に開発されたタウPETリガンドPBB3の結合特性評価と、タウオパチーマウスモデルrTg4510マウスのマルチモーダルイメージング技術による病態評価を死後脳の病理像との相関と合わせて行った。これらの成果について複数の論文発表を行なった。1)高度なαシヌクレイン病変を有するごく限られた症例において[11C]PBB3-PETがαシヌクレイン病態を検出しうるこを病理標本を用いた研究で明らかにした(Koga et al. 2017 Movement Disorder)。2)PBB3リガンドはMAO-A/MAO-B阻害剤による競合阻害が認められなかったことからMAOはPBB3のoff-targetとなる可能性か低いことが証明された (Ni et al. 2018 J. Nuclear Medicine)。3)タウPETリガンド結合部位の同定:クライオ電顕による分子構造解析データをもとにPBB3のタウ線維上での結合部位を明らかにした(Goedert et al. 2018 Frontiers in Neurology)。4)タウオパチーマウスのマルチモーダルイメージング技術による病態評価系を確立した(Ishikawa et al. 2018 J. Alzheimer’s Disease)。
2: おおむね順調に進展している
今年度は分担研究者、連休研究者と共に複数の論文を国際誌に掲載することができた。順調に進んでいる。
脳タンパク質老化を標的としたバイオマーカーの開発、神経変性メカニズムの解明を目指した研究、霊長類モデルの病態解析、治療開発研究を、生化学、細胞生物学、病理学、生体イメージング、タンパク質構造生物学的手法を用いて進めて行く。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (13件) (うち国際共著 7件、 査読あり 13件、 オープンアクセス 8件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件、 招待講演 3件)
Journal of Alzheimer's Disease
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実験医学 認知症 発症前治療のために改名すべき分子病態は何か?
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