研究領域 | 動的構造生命科学を拓く新発想測定技術-タンパク質が動作する姿を活写する- |
研究課題/領域番号 |
26119003
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
安藤 敏夫 金沢大学, 数物科学系, 教授 (50184320)
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研究期間 (年度) |
2014-07-10 – 2019-03-31
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キーワード | 高速AFM / 走査型プローブ顕微鏡 / タンパク質 / バイオイメージング / ダイナミクス |
研究実績の概要 |
タンパク質が動作する姿を活写する高速AFMの高度化技術開発、応用技術開発、実証・応用研究を進め、従来の構造生物学と一分子生物物理学の限界を克服する動的構造生物学という新規分野を開拓し、それにより我が国の生命科学の発展に貢献することが本課題の最終目標である。本課題は、①多くの班員との共同研究で進めるタンパク質分子の高速AFM撮影による機能発現機序解明、②独自に進める高速AFMを高度化するための技術開発、の2本の柱から成る。
①については、H27年8月に金沢大学で開催したバイオAFM夏の学校への班員ないしは班員のメンバーの参加を出発点とすることで、また、その機会に限らず随時当グループが観察実験に協力することで、10件以上の共同研究に着手できた。H28年4月に開催した班会議での全発表36件の内、12件の発表で何らかの形で高速AFMが利用されているのを確認した。既に有意義な観察データが得られている研究もある。独自に行う高速AFM観察の研究については、試料系の発現を行い、試験観察を行った。
②については、(i)金属探針に発生する局所プラズモンによる電磁波増強効果を利用した超解像蛍光顕微鏡の開発とその実証研究、及び、(ii)光ピンセットと複合させた高速AFM装置の開発と実証研究が主な課題である。これらの技術のベースとなる探針走査型高速AFMは別のプロジェクトを中心に進め、ほぼ完成している。H27年度では、(i)については、光学系とフォトンカウンターからなる装置全体を製作するとともに、できるだけ針先端部に強い電磁波を生じさせるために、光還元法を用いてカンチレバー探針に銀粒子を成長させることを試みた。(ii)については、レーザーでトラップされるビーズとタンパク質分子をつなぐ長いDNAを調製した。また、必要となる段差のある基板を電子線ナノリソグラフィー法を用いて調製を試みた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
タンパク質の高速AFM観察については、多くの班員と共同研究に着手し、順調に進展している。独自に進めている技術開発については、本格的な技術開発に入る前段階として順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
①班員と共同で進める応用研究:班員とテクニカルスタッフの間で問題意識を共有することが最も重要と考えている。班員が試料を当グループに預けるだけでなく、一緒に観察を進めながら問題点を共有することが大事である。テクニカルスタッフのアドバイスの下、班員自らが装置を操作してデータを出すことが理想であるが、装置をうまく操作できない場合もある。観察実験を当グループで進めることもある程度やむを得ないと考えている。
②独自に進める技術開発:装置開発では、装置を組み上げてからが本格的な技術開発になることが多い。H27年度終了の段階で装置の組み上げはほぼ完了していることから、今後は実際に装置を扱いながら試験観察を進めることにより必要となる周辺技術やノウハウを蓄積していく。装置開発は地道な作業の連続であり、華々しい成果をすぐに出すことはできない。初志貫徹して、ブレークスルーとなる装置の完成を目指す。
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