計画研究
本研究の目的は、高速AFMのバイオ応用研究を自ら推進するだけでなく、公募班員、計画班員、及び、領域外の研究者にも装置を開放して、彼らと協力してタンパク質分子が動作する姿を活写する動的構造生命科学を幅広く新規開拓するとともに、装置の高度化を更に進めて、従来の高速AFMでは観察不可能な分子レベルで起こる現象を観察可能にすることにある。2018年度の領域内での共同研究では、例えば、べん毛構成タンパク質のIII型輸送装置に含まれるタンパク質FlhAがリングを形成し、また、そのC端領域が一定の順序で輸送すべきタンパク質を選別していることを見出した。他の班員との共同研究でも、核膜孔複合体で起こるダイナミクスやインフルエンザフィルスの感染に重要なヘマグルチニンの構造変化を捉えることに成功し、また、ナノディスクに埋め込んだ膜タンパク質を上方・側方から観察することを可能することにも成功した。独自に進めた応用研究では、膜孔形成毒素SLOによる膜孔形成の初期に、部分的に解けたαヘリカルバンドルが膜に一部挿入し、その結果膜を上方に引き上げ、それが更にαヘリカルバンドルの膜挿入を加速することを見出した。また、膜孔形成の最終段階では、リング内腔下部に形成されたリポソームが相対的にSLOリングの下方に移動し、最終的に細胞膜に孔が形成されることを示唆する現象を見出した。高速AFMの高度化技術開発では、開発した光ピンセットとの複合装置の操作の難しさを軽減する改良を行い、力作用下にあるDNAの観察に成功した。金属探針で生ずる局所プラズモンを利用した超解像蛍光顕微鏡も開発し、従来よりも100倍速いイメージング速度と空間分解能39 nmを実現した。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2019 2018 その他
すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (14件) (うち国際共著 5件、 査読あり 14件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (13件) (うち国際学会 7件、 招待講演 13件) 備考 (4件) 学会・シンポジウム開催 (1件)
BBA-General Subjects
巻: 印刷中 ページ: -
10.1016/j.bbagen.2019.03.011
Structure
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