研究概要 |
論文1において、N.Gjiniは秋山、貞広の結果を拡張し、ロジーフラクタルの場合のタイル張りに関して、隣接条件や、多重点などを研究した。この場合には、Substitutionによる力学系との対応や、連分数等の同時近似アルゴリズムとの関係も知られており興味深い。さらに、一般の標準数系とPisot数系に対応するタイル張りの場合に、その境界や、内点の状況、とくにタイルの単連結性は数論的な応用上重要である。 また、論文3ではPisot数系の場合にも代数的な特徴付けや、位相的構造の研究の重要性が明確になった。また論文5で、J.Luo,秋山,J.Thuswaldnerは連結なタイルの境界の連結性の十分条件を考察し、開集合条件はその一つであることを示した。Pisot数系と対極の位置にある標準数系では論文2,論文4のように特徴付け問題におおきな進展がある。この方向は秋山,H.Rao、H.Brunotte,J.Thuswaldnerらの共同研究に繋がって発展している。 論文1を発展させ、秋山とGjiniは一般の低次の標準数系とPisot数系に付随するタイル張りの位相的特徴付け、特に連結性に関し共同研究を進め4次以下の標準数系タイル張りの連結性を証明した。連続する整数を用いた数系においてはこの種の連結性はある程度期待されていた事である。 さらにPisot数系の場合に2,3次の場合に連結性を証明、4次の場合には非連結なタイル張りを見つけだした。その方法は、Hermite,Schurに遡る根の分離とBezout二次形式を連結する手法と連結性の十分条件を組み合わせる方法であり、4次のPisot数系双対タイル張りに関して、いつ連結、いつ非連結となるかを定義方程式の係数の不等式のみで記述するという著しい結果を導いた。この結果に関しては、国内外の研究集会において数回の発表を行い、聴衆から驚きと賞賛を獲得している。この仕事は、粘り強い分類と計算を要する労作で、4次のPisot単数の1の展開の分類、連結性の分類、その要約の3つに分け現在投稿し回答待ちの状態である。
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