研究課題/領域番号 |
00F00886
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
吉村 昌弘 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 教授
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研究分担者 |
CALDERON?MORENO Jose Maria 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 外国人特別研究員
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キーワード | カーボン / ナノチューブ / ナノセル / ハイドロサーマル / 炭素 |
研究概要 |
カーボン材料は古く、かつ新しい材料として多方面で注目されている。特に、近年フラーレンやカーボンナノチューブが見出されて、ますますその重要性が増している。しかしながらこれまでの研究は、ほとんどが気相や真空の中での作製やその挙動に関するもので、水熱条件や湿式プロセスによる研究はほとんど見られない。 本研究では各種のカーボン材料を高温高圧の水雰囲気中で処理し、種々のナノ/マイクロ構造を有するカーボン材料の生成とその評価を行った。主な結果は以下のようである。 1.カーボン自体は水熱条件下でも300℃位まではほとんど反応しない。 2.従って300℃以下ではカーボン材料中の未分解有機物や無機の不純物が抽出され、カーボン自体は純化される。 3.アモルファスカーボンは400〜500℃から熱水による腐食を受ける。特に格子が乱れた部分が選択的に腐食される。 4.アモルファスカーボンから600℃以上でカーボンナノセルが生成する。 5.フラーレン、単層ナノチューブは600℃以上でアモルファス化が始まり、700℃以上では多層ナノチューブを生成する。 6.ポリエチレンなどからもNi触媒などがあれば700〜800℃以上でナノフィラメント、ナノパイプ、多層ナノチューブが生成する。 7.これらのナノパイプ中に液体および気体が内包されることがあり、この液体は真空中高温下(TEM観察)でも見出される。 8.C-H-Oの高温高圧流体中から数μm系の球状カーボンが生成することもある。
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