• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2002 年度 実績報告書

公武関係からみた室町時代の政治と文化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 00J03913
研究機関名古屋大学

研究代表者

水野 智之  名古屋大学, 文学研究科, 特別研究員(PD)

キーワード公家 / 扈従 / 政治
研究概要

室町時代における公家勢力については、従来、文化的活動に関する研究が多くなされているが、本研究ではあまり分析のなされていない政治的な動向を解明した。解明した点は、次の三点である。
第一、将軍に扈従する公家衆は、鎌倉時代では関東祇候廷臣がおり、南北朝期も引き続きその関係は継続されるが、義詮期に、関東祇候廷臣の系譜にない新たな家礼が加わり、再編されたことを解明した。
第二に、義満期以降、武家の政治的進退を共にする公家衆が増加し、武家と公家の扈従関係は、武家の政変の際では誅殺される公家が現れるようになるなど、生命のやりとりにまで及ぶ強固な主従的な関係として展開するようになっていたことを解明した。また、扈従する公家衆の中には、武家と姻戚関係をもつ者が散見されることも究明した。
第三に、応仁の乱において、公家勢力は東軍に与しているが、西軍に与した一○名程の公家衆の中には、東軍方の近衛家と関係をもつ公家衆がいたことを解明した。このような公家衆の両属的な関係は、武家の政争に巻き込まれても自らの立場、権益を喪失しないようにする要因であったことを指摘した。その結果、明応の政変において、朝廷は、義稙政権と義澄政権という武家の政治的対立から超越し、京都を制圧した側に正当性を認めるという立場を確立しえたことを解明した。なお、大名、国人らと公家衆の姻戚関係は、戦国期に至ると、増加することも究明した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 水野, 智之: "室町時代における公家勢力の政治的動向"年報 中世史研究. 28. (2003)

URL: 

公開日: 2004-03-26   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi