研究概要 |
前年度に引続き,半空間におけるナビヤ=ストークス方程式の諸問題についての研究を行った.前年度では,半空間におけるストークス方程式の解の微分可能性について調べ,その結果,ディリクレ問題の解の一階微分のL^∞-BMO評価を得た.今年度はその結果を発展し, 1.初期値がBMOに属する関数に,一階微分とヘルムホルツ作用素を施した形で表されている場合. 2.初期値がBMOに属する関数に,∂_j (-Δ´)^<-α/2>なる作用素を施した場合.ここで,Δ´は境界の接平面方向のラプラシアン,∂_jは接平面方向への一階微分,また,0<α<1である. のそれぞれについて,ストークス方程式のディリクレ問題の解のL^∞-BMO評価を得た.更に,これらの結果を組み合わせることで,初期値が(2)を満たすならば,ナビヤ=ストークス方程式のディリクレ問題の時間局所解が,適当な関数空間において存在し,かつそれは一意であることを示すことに成功した. この結果は,北東数学セミナー(2003年2月,於東北大学)をはじめ,いくつかの研究集会やセミナーにおいて発表された.また,これらの結果をまとめた論文が現在投稿中で,その内容は以下の通りである. 1.Yasuyuki Shimizu,"Weak-type L^∞-BMO estimate of first-order space derivatives of Stokes flow in a half space", Journal of the Mathematical Fluid Mechanicsに投稿中 2.Yasuyuki Shimizu,"Existence of non-decaying Navier-Stokes flow in a half space with a certain initial data", Journal of Differential Equationsに投稿中
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