1.光学系の改良によるパターン微細化の検討 厚さ500nmのポーラス型アノード酸化皮膜を化成したアルミニウム試料を金属めっき溶液中に浸漬したのち、レーザー照射により酸化皮膜を破壊・除去した。レーザー照射においては、ビームエキスパンダーを用いてレーザービームの直径を25mmに拡大したのち、焦点距離80mmのダブレットレンズによりレーザーを集光した。上述のレーザー照射により、酸化皮膜が最小3ミクロンの直径で円形に破壊された。また、レーザービームの直線状照射により、ライン幅3ミクロンの皮膜除去ラインを形成することができた。皮膜除去部の幅は、いずれのレーザー走査速度においても、レーザーパワーとともに直線的に増加し、また、走査速度が小さいほど大きいことがわかった。レーザー照射ののち、ただちに電気めっきを行うことにより、ライン幅4ミクロンの極微細金属ラインを形成することが可能となった。 上述のアノード酸化/レーザー照射/電気めっきの連続プロセスを用いることにより、サブミクロンオーダーの微細金属ラインが形成できることを理論的に予測した。 2.プリント配線板の試作 各種金属ラインを形成したアルミニウム試料とエポキシ樹脂とを接着剤(SW-2214、住友スリーエム)を用いて接着したのち、NaOH溶液(室温)を用いて素地のアルミニウムおよびアノード酸化皮膜を溶解した。溶解にあたっては、最初3M NaOHを用い、アノード酸化皮膜が一部露出したときに、1M NaOHに変えた。アルミニウム素地および酸化皮膜は、およそ1時間で完全に溶解し、ライン幅4ミクロンの微細Auラインをエポキシ樹脂板に転写することが可能になった。Au電析層とエポキシ樹脂との密着性は、極めて優れていた。
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