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1989 年度 実績報告書

膵癌発生の機構解析とその制御に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 01010057
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

藤田 晢也  京都府立医科大学, 医学部, 教授 (00079716)

研究分担者 土橋 康成  京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (50106390)
坂倉 照よ  理化学研究所, 室長 (80073120)
山科 郁夫  京都産業大学, 工学部, 教授 (70025675)
加藤 洋  癌研究付属癌研究所, 病理部, 主任研究員 (20010473)
水野 丈夫  帝京大学, 薬学部, 教授 (50011490)
キーワード人癌 / プログレッション / clonal evolution / 核DNA量 / 自然史 / 印環細胞癌 / スキルス / 間質因子
研究概要

人癌が癌という病気に発展してくるのには、癌細胞の発生というイベントが重要であるのは論をまたないが、癌のプログレッションという現象が、それと同じくらい、あるいはそれ以上に重要な過程であると考えられる。にもかかわらず人癌のプログレッションとその機構に関す研究は、発癌に関する研究に比べて極端に少なかった。
本研究では、人癌を対象とし、とくに前年度までの研究で対象のしぼられた胃印環細胞癌、大腸癌、乳癌などについて、核DNA量の分布、染色体分析と深部浸潤の相関、癌細胞膜構成分子の分子生物学的研究、間質中で癌の浸潤や転移を助けるようなフィブロネクケン、ラミニン、テネイシンなどの分子発現、浸潤と深い関係のある腫瘍血管などについて、今年度の研究を集中した。
その結果、核DNA量からみると、初期には正常ないし非癌と区別のむつかしい2倍体の癌が多く、進行とともに異倍体のDNA量をもつものがclonal evolutionの結果として出現してくるものであることがわかった。進行癌では多くのものが異倍体クローンを含みスキルスでは、その大多数が異倍体であった。しかしスキルスのなかにもDNA測定上2倍体と区別し難いものが10%ていど存在することがわかってきたが、このうち8例に染色体分析が成功し、その結果、全例に転癌、欠失、トリソミー、モノソミー、テトラソミーなど複数の変化があり、人癌の進展には、必発的に染色体レベルの大幅かつ重複した分子変化が起っていることが推定された。これらの変化が核の異型性のみならず、浸潤性等悪性の腫瘍性性格と深く関係している証拠が得られはじめた。
この結果は初期早期癌ほど本質的な意味でも悪性度がより低いことを明らかにしたが、これは人癌の早期発見の大きな意味を示すものである。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Sugihara,H.: "Distribution of fibronectin and laminin in early and advanced signet ring cell carcinomas of the stomach" Int.J.Cancer. 43. 263-269 (1989)

  • [文献書誌] Sugihara,H.: "Regional ploidy variations in signet ring cell carcinomas of the stomach" Cancer. 65. 122-129 (1990)

  • [文献書誌] 藤田晢也: "人癌自然史研究の重要性" オンコロジア. 23. 5-14 (1990)

  • [文献書誌] Hagihara,T.: "The histological type and lymphatic permeation of diffuse infiltrative carcinoma of the stomach" Jpn J.Cancer. 35. 912-916 (1989)

  • [文献書誌] Yamada,Y.: "Greater tendency for submucosal invasion in fundic area gastric carcinomas than those arising in the pyloric area" Cancer. 63. 1757-1760 (1989)

  • [文献書誌] Misawa,S.: "A normal karyotype obtained from cancerous effusion in a patient with disseminated gastric cancer." J.Kyoto Pref.Univ.Med.98. 625-630 (1989)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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