研究課題/領域番号 |
01015011
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
高野 誠一 東北大学, 薬学部, 教授 (20004559)
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研究分担者 |
高橋 道康 東北大学, 薬学部, 教務系文部技官 (80089789)
畑山 範 東北大学, 薬学部, 助手 (20143000)
菅原 勉 東北大学, 薬学部, 助手 (50006350)
小笠原 國夫 東北大学, 薬学部, 助教授 (60004602)
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キーワード | ネオカルジノスタチン / クロモフォア カリケミン / エスペラミシン / エナンチオ選択的合成 / シクロペンタジエンダイマー / リパーゼ / Dーマンニトール / 0__ーーベンジルグリシドール |
研究概要 |
Neocarzinstatinクロモフォアおよび関連中員環アセチレン誘導体をエナンチオ選択的に合成し、クロモフォアそれ自身の絶対配置を明確にすると共に、これ迄関心の払われることのなかったキラリティーと抗腫瘍性との関連を求めがんミサイル療法に有効な薬剤を開発することを目的として本研究を行った。すなわち、neocarzinstationクロモフォアを形成している9員環エンジインを含む2環性5ー9員環システムおよび最近見出され構造的に関連するcalichemicin類やesperamicin類の共通基本構造である10員環エンジインシステムを共通のエナンチオ選択的手法によって組み立て各種関連光学活性体を得、これらの抗腫瘍性を検討するものとした。まず入手容易なシクロペンタジェンダイマーを酸化的にアセトキシ化し、得られるラセミ基質をリパーゼを用いる酵素化学的な速度論支配下の加水分解により分割し光学的に純粋な3環性基質を得た。さらに別途合成法を検討し入手容易な6炭糖、Dーマンニトールからディールス・アルダー反応を鍵とする合成手法も確立した。9員環および10員環エンジイン環を形成するためにここで得た光学活性な基質から前駆体に相当する各末端ジアセチレン型化合物を合成した現在エチレン単位とのクロスカップリングを含む閉環を検討中であるが、これに関しては今迄のところ成功を収めていない。しかしながら、この間に見出したシクロペンタジェンダイマー単位へのキラリティー導入法の確立によって多様の適用を可能にする極めて有用なキラル合成素子を得ることが出来、これにより新規モルヒネ型天然アルカロイドを含む生理活性天然化合物数種の効率的エナンチオ選択的合成法を確立した。Neocarzinostatinクロモフォアならびにcallーchemicinおよびesperamicin類のデオキシ糖部も生理活性に大きな影響を及ぼしていると思われるが、キラル0__ーーベンジルグリシドールを基質としてこれに到達し得るエナンチオ選択的合成手法を確立した。
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