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1989 年度 実績報告書

Haーrasによって誘導されるエンハンサー結合因子の遺伝子クローニングと機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 01015041
研究機関京都大学

研究代表者

重定 勝哉  京都大学, ウィルス研究所, 助教授 (40009626)

研究分担者 村上 洋太  京都大学, ウィルス研究所, 日本学術振興会特別研
キーワード発癌遺伝子 / Haーras / エンハンサー / DNA結合因子 / ヘテロダイマー / ポリオーマウイルス / cーmyc / トランスフォーム細胞
研究概要

我々は、先にポリオーマウイルスエンハンサー中のAエレメントに結合する細胞性因子PEBP2を同定し、その分子的性状がHaーrasによるトランスフォーメーションに際して劇的に変化することを見いだした。そこで本研究ではPEBP2の機能と役割をさらに追究するために本因子の分子的特性解析とcDNAクローニングを次の如く進めた。
まずトランスフォーム細胞をヌードマウスに移植して作らせた癌組織を出発材料とし、DNAアフィニティークロマトグラフィーを主体とする方法によりPEBP2の精製を行った。数百匹分の材料を処理することにより、総計数十マイクログラムの純化標品を得ることが出来た。これを用いてアミノ酸配列の決定を行い2ー3の部分配列を得た。この情報を基に現在cDNAクローニングを遂行中である。
他方、分子的解析の結果、PEBP3は(i)2種類のサブユニットalphaとbeta(分子量30ー35Kおよび20ー25K)からなるヘテロダイマーである、(ii)alphaとbetaは共にDNA結合活性を持ち、しかもその認識配列は全く同等である。(iii)PEBP2は全体として2価のDNA結合能を持ち、DNAにループ構造を形成させる働きがあるなど種々の特徴的性質を持つことが判った。
これらの知見に加えて,PEBP3はポリオーマウイルスエンハンサー上の中心的機能領域であるAおよびBエレメントの双方にほぼ同じ強さで特異的に結合することが見いだされ、同因子がポリオーマウイルスの転写・複製の制御にとって従来予想された以上に重要な役割を果している可能性が示唆された。さらに細胞遺伝子上での役割に関する有力な手がかりとして、発癌遺伝子cーmycの上流域に存在するDNA複製開始信号配列にPEBP3が結合することが見いだされた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] T.Kawamura,K.Shigesada,F.Kimizuka and K.Izui: "Phosphoenolpyruvate Carboxylase Prevalent in Maize Roots:Isolation of a cDNA Clone and Its Use for Analysis of the Gene and Gene Expression" J.Biochem.(Japan). 107. 165-168 (1990)

  • [文献書誌] K.Furukawa,Y.Yamaguchi,E.Ogawa,K.Shigesada,M.Satake and Y.Ito: "A Ubiquitous Repressor Interacting with an F9-specific Silencer and Its Functonal Suppression by Differentiated-cell-specific Positive Factors" Cell Growth and Differentiation. 1. (1990)

  • [文献書誌] Y.Kamachi,E.Ogawa,M.Asano,M.Satake,Y.Ito and K.Shigesada: "Purification of a Mouse Nuclear Factor that Binds to Both the A and B elements the Polyomavirus Enhancer" J.Virol.,subitted.

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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