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1989 年度 実績報告書

骨肉腫の予後因子としての劣性癌遺伝子の変化

研究課題

研究課題/領域番号 01015044
研究機関京都大学

研究代表者

山室 隆夫  京都大学, 医学部, 教授 (00088527)

研究分担者 石崎 寛治  京都大学, 放射線生物研究センター, 助教授 (70111987)
佐々木 正夫  京都大学, 放射線生物研究センター, 教授 (20013857)
キーワード骨肉腫 / 予後因子 / 劣性癌遺伝子 / 網膜芽細胞腫遺伝子 / p53遺伝子 / ヘテロ接合性の消失
研究概要

我々は骨肉腫における劣性癌遺伝子の関与につい網膜芽細胞腫(Rb)遺伝子の変化及び各染色体のヘテロ接合性の変化を検討してきた。その結果Rb遺伝子ののっている13番染色体では症例の64%においてヘテロ接合性の消失(以下LOHと略す)を、またp53遺伝子ののっている17番染色体では症例の77%においてLOHを認め報告した。今回我々は37症例の骨肉腫原発巣を収集し、13番及び17番染色体以外の常染色体におけるLOHを各染色体の短腕及び長腕のRFLPプローブを用いて検索した。その結果、13番染色体や17番染色体ほど高率にLOHを認めることはなかったが、全般的に各染色体でLOHを認められた。13、17番染色体以外では特に3番染色体及び15番染色体で他に比較してLOHの頻度が高く、症例の50%に認められた。これらの染色体上には骨肉腫のinitiationやpromotionに関与している遺伝子の存在を示唆するものであるのか、または腫瘍細胞分裂時にlossしやすい染色体であるのかの可能性が考えられる。逆に7番染色体では評価可能な20症例すべてにおいてLOHを認められず、この染色体の存在は腫瘍細胞の生存にとって、重要である可能性も考慮される。各症例別に検討すると数症例を除いてほぼすべての症例でLOHを認めた。各染色体のLOHと予後との関連性については当初原発巣治療後1年以上経過した症例にて検討する予定であった。しかし近年化学療法や放射線療法などの発達のため、骨肉腫の局所再発や肺転移の出現が遅れる傾向にあるため予後判定期間を2年以上に延長した。今後はLOHと予後との関連性を検討し、DNAの解析を用いて予後を決定する因子の有無を検索してゆく予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Toguchida,J.: "Preferential mutation of paternally derived RB gene as the initeal event in spordic osteosarcoma" Nature. 338. 156-158 (1989)

  • [文献書誌] Toguchida,J.: "Assignment of Common Allele Loss in Osteosarcoma to the Subregion 17p13" Cancer Res.49. 6247-6251 (1989)

  • [文献書誌] Kato,M.: "Elevated Frequency of a specific allele of the L-myc gene in male patients with bone and soft-tissue sarcoma" Int.J.Cancer. 45. 47-49 (1990)

  • [文献書誌] 佐々木正夫: "劣性癌遺伝子・ヘテロ接合性の消失" 癌と化学療法. 16(3). 624-631 (1989)

  • [文献書誌] Yamamuro,T.: "Intraoperative radiotherapy and ceramic prosthesis replacement for osteosarcoma" New Developments for Limb Salvage in Musculoskeletal Tumors p.b.Springer Verlag,Tokyo(693 pages). 327-333 (1989)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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