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1989 年度 実績報告書

細胞間相互作用が癌の増殖進展に与える影響:ミュータントマウス由来細胞による解析

研究課題

研究課題/領域番号 01015060
研究機関大阪大学

研究代表者

北村 幸彦  大阪大学, 医学部, 教授 (70028520)

研究分担者 栗生 明  大阪大学, 医学部, 助手 (70205194)
春日井 務  大阪大学, 医学部, 助手 (80214310)
廣田 誠一  大阪大学, 医学部, 助手 (50218856)
キーワードマスト細胞 / cーkit癌原遺伝子 / 線維芽細胞株 / マスト細胞増殖因子 / ILー3 / ILー4 / タイロシンカイネースレセプター
研究概要

1)正常(+/+)マクスとW/W^Vマウスの骨髄細胞をILー3の存在下で培養して+/+マスト細胞とW/W^Vマスト細胞を得た。ILー3がない条件でNIH/3T3細胞と共生培養すると、+/+マスト細胞は増殖を続けたがW/W^Vマスト細胞は増殖をやめ死滅した。NIH/3T3細胞の場合はマスト細胞と直接に接触することが、増殖の支持のために必要であったが、NIH/3T3細胞のかわりにBALB/3T3細胞を用いると、マスト細胞との間をミリポア膜や軟寒天で隔ててもマスト細胞の増殖を支持することがわかった。BALB/3T3細胞の培養上清も+/+マスト細胞の増殖を支持するが、W/W^Vマスト細胞の増殖は支持しない。W遺伝子はcーkit癌原遺伝子と同一でレセプター蛋白をコードしているから、BALB/3T3の培養上清中には、cーkitレセプターに対するリガンドが含まれていると考えられる。BALB/3T3細胞を無血清培地で大量に培養し、cーkitレセプターに対するリガンドの精製を行うべく準備中である。2)+/+マウスの腹腔より採取したマスト細胞の約30%は、ILー3とILー4が共在すれば、メチルセルローズ中でコロニーをつくる。BALB/3T3細胞の培養上清中にはILー3、ILー4は含まれていないが、腹腔マスト細胞に作用して、コロニーを形成させることができることをみいだした。BALB/3T3培養上清中の有効成分が単一であるかどうか不明であるが、いずれにしても腹腔中の結合組織型マスト細胞の増殖がILー3、ILー4以外の物質で刺激されることは確かである。3)W/W^Vマウス、S1/S1^dマウスに加えてmi/miマウスもマスト細胞を欠損しているのでその機構についてしらべた。mi/miマウス由来のマスト細胞もILー3依存性増殖は正常であったが、BALB/3T3細胞培養上清には反応しなかった。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Kuriu,A.: "Acceleration of murine T cell leukemia associated with loss of interleukinー3 producing activity." Leukemia Research. 13. 77-82 (1989)

  • [文献書誌] Nakano,T.: "Effect of 5ーfluorouracil on“primitive"hematopoietic stem cells that reconstitute whole erythropoiesis of genetically anemic W/W^V mice." Blood. 73. 425-430 (1989)

  • [文献書誌] Kitamura,Y.: "Heterogeneity of mast cells and phenotypic change between subpopulations." Annual Review of Immunology. 7. 59-76 (1989)

  • [文献書誌] Kitamura,Y.: "Regulation of mast cell differentiaation." Bioessays. 10. 193-196 (1989)

  • [文献書誌] Onoue,H.: "Suppressive effect of S1/S1^d mouse embryoーderived fibroblast cell lines on diffusible factorーdependent proliferation of mast cells." Blood. 74. 1557-1562 (1989)

  • [文献書誌] Ebi,Y.: "Mechanism of mast cell deficiency in mutant mice of mi/mi genotype:an analysis by coーculture of mast cells and fibroblasts." Blood.

  • [文献書誌] Kitamura,Y.: "Ontogeny of mast cells.In The Immunology of Fetus." CRC Press(Boca Raton,FL), 320 (1990)

  • [文献書誌] Kitamura,Y.: "Differentiation of mast cells and phenotypic change between subpopulations.In Progress in Immunology" SpringerーVerlag(Berlin),

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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