研究課題/領域番号 |
01015106
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
小田島 粛夫 金沢医科大学, 医学部, 教授 (10064510)
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研究分担者 |
有沢 宗久 富山医薬大, 薬学部, 助手 (80019132)
清水 昌寿 金沢医科大, 医学部, 講師 (30150759)
山口 宜夫 金沢医科大, 医学部, 教授 (10106916)
越村 三郎 金沢医科大, 医学部, 客員教授 (10019854)
太田 隆英 金沢医科大, 医学部, 助手 (10152141)
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キーワード | がん / 化学療法 / 再分化誘導 / 増殖抑制 / 免疫 / BRM / ginsenoside / Saikosaponin |
研究概要 |
私達は、植物性糖体の一つであるginsenosideがラット肝癌細胞や、マウス・メラノーマ細胞の培養系において形質変換(再分化)を誘導すること、またsaikosaponin誘導体が宿主機能の賦活によって抗腫瘍性を示すことなどを見出し、報告してきた。 平成元年度は、化学制癌剤、再分化誘導剤及び宿主免疫能賦活剤の他剤併用による制癌効果増強を目的とした基礎的実験を行った。 1.再分化誘導剤のスクリーニング;細胞増殖抑制及び再分化誘導能を指標として、saikosaponin a__ー(SSa__ー)、compound I(Mallotus japonicusより抽出)を得た。 2.<In>___ー vitroによる他剤併用の制癌効果増強判定方法の開発;培養B16melanoma細胞を用い、化学制癌剤や再分化誘導剤などの併用による制癌効果について細胞増殖抑制や再分化誘導能を指標として判定方法を確立するため基礎的実験を行った。 3.化学制癌剤、再分化誘導剤及び免疫能賦活剤の他剤併用による制癌効果の増強:化学療法剤としてcyclophosphamide(CPA)、mitomycin C(MMC)免疫療法剤としてOKー432及び分化誘導剤としてpapaverin(PPV)、db cAMP、nicotinamide(NA)、saikosaponin a__ー(SSa__ー)を併用する合併療法において<in>___ー vivoでの抗腫瘍効果増強の至適条件を検討した。主として黒色腫B16(BLー6)をマウスの皮下に移植して上記3剤の投与順序を換えることによる延命率への影響を検討した。その結果、(1)CPA単独投与群に対し、これにOKー432及び分化誘導剤とを併用した群では生存日数の延長をえた。 (2)CPAの投与後、OKー432及び分化誘導剤を組合せて投与すると抗腫瘍効果の増強が認められた。3者の投与、順序、投与量、投与期間等の条件設定に関す問題は複雑であるが、癌治療のための新しい方向となりうる可能性が示された。
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