• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1989 年度 実績報告書

細胞のトランスフォーメーションに依存したDNA複製開始領域の解析

研究課題

研究課題/領域番号 01015134
研究機関愛知県がんセンター

研究代表者

中村 普武  愛知県がんセンター研究所, 分子生物研究室, 室長 (30109938)

研究分担者 大塚 健三  愛知県がんセンター研究所, 放射線部, 研究員 (40150213)
中州 章  愛知県がんセンター研究所, 放射線部, 研究員 (50198107)
キーワードDNA複製 / 哺乳類細胞 / 同調化法 / レプリコン / オリジン / トランスフォーメーション / クローニング
研究概要

哺乳類細胞をSV40ウイルスでトランスフォームするとDNA複製単位の長さが変わる。この変化は正常細胞とは異なる複製開始領域が働いていることを示唆している。この可能性を調べるためにまず、正常細胞の複製開始領域を細胞の高精度同調化法を用いて直接同定し、クローン化してその構造を決める事を試みた。
1. 休止期の細胞(ラットNRK細胞)を増殖刺激後、2種類のDNA合成阻害剤(ヒドロキシ尿素とアフィディコリン)を併用することにより、細胞を複製開始時に高精度で同調する新しい方法を開発した。この方法では、約90%の細胞の新生DNA鎖は阻害剤存在下では1Kb以下に停止していた、阻害剤を除去すると複製は3ー5Kb/minの伸長速度(両方向伸長)で同調的に進行した。
2. この方法で細胞を同調し、複製開始部位を含む短い新生DNA鎖をBrdUで密度標識した。この領域は不安定でありDNA抽出は通常の方法では不適当であった、改良した5.5M塩酸グアニジン法または、0.5MEDTA法により達成できた。制限酵素で切断し、4回の平衡密度勾配遠心法でHL鎖を精製し、シングルコピー・ベクター(miniF ベクター)でクローン化した。pUCなどのマルチコピー・ベクターではこの領域のクローニングは困難であった。
3. 多数のクローンを解析し、そのうち3個のクローンは、S期の最初に複製しているレプリコンの複製開始部位ないしはそのごく近傍に由来していることを同調化細胞から得られるHL鎖を用いたサザン・ブロッテング法で確認した。今後、確認できたクローンについて、その断片の複製開始部位までの距離と方向を決め開始部位を同定し、その開始部位がトランスフォームした細胞でも機能しているか調べたい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Kenzo Ohtsuka: "A novel 40ーkDa protein induced by heat shock and other stresses in mammalian and avian cells." Biochem.Biophys.Res.Commun.166. 624-647 (1990)

  • [文献書誌] 中村普武: "新基礎生化学実験法5.高次構造・状態分析" 丸善, 7 (1989)

URL: 

公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi