研究課題/領域番号 |
01041013
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
新藤 静夫 千葉大学, 理学部, 教授 (70058014)
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研究分担者 |
KONGOLA L.R. タンザニア水資源省, 地下水局, 研究官
宮内 崇裕 千葉大学, 理学部, 助手 (00212241)
北岡 豪一 京都大学, 理学部, 助手 (30093230)
松本 栄次 筑波大学, 地球科学系, 助教授 (10015571)
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キーワード | タンザニア / 半乾燥地域 / 地下水の涵養 / 浸透機構 / 流出特性 / 同位体分析 |
研究概要 |
本年度は研究計画の中間年の年に当たり、前年度の調査の補充とデ-タの収集を行なうべく、重点調査地域の精査・水質分析サンプルの採取と雨期における表面流出の諸過程の観察と記録に力点をおいた。2班編成にして、第1班は地形・地質学的調査(1)を、第2班は水文学的調査(2)を中心に行った。(1)については、従来の現地観察に加えて物理探査法を併用し、被覆層の厚さ・基盤の形状を解明した。(2)においては、テストピット・ライシメ-タ・観測井・テンシオメ-タの継続観測の充実を図るとともに、人工降雨実験によって浸透現象の観察を行い、また広域に水質を分析するほか、放射性同位体(トリチウム)、安定同位体(水素・酸素)の分析を行い、地下水の涵養と滞留機構の解析を行った。その結果、以下のような成果が得られた。 1)地表流の流出特性は基盤の岩質に強く支配され、ペデイメントの形成過程解明につながる良い資料であると思われる。 2)マクタポ-ラ盆地の地下水の涵養は、広域地下水流動系のもとで行われる成分と局地的な流動系のもとで行われる成分に明瞭に区分された。 3)地下水の浸透機構は地表水の集水域の地形・表層地質・地質構造にほぼ対応している。しかし、人工降雨実験によれば局所的には流出過程は自然降雨によるそれとは異なる結果が得られ、再検討を要することがわかった。 今後はリモ-トセンシング技術を駆使し水文地形地質図を完成させるとともに、計算機処理によって地下水の流動系に関するシミュレ-ションモデルを完成させる。さらにこれまで成果をまとめ、出版(英文)する予定である。
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