研究分担者 |
潘 朝霖 貴州民族学院, 科研處, 助理研究員
顧 朴光 貴州民族学院, 副教授
陳 勤建 華東師範大学, 中文系, 副教授
姜 彬 中国上海社会科学院, 文学研究所, 研究員
黄 強 学習院大学, 東洋文化研究所(中国上海社会科学院文学研究所), 客員研究員(助理研究
大木 康 広島大学, 文学部, 助教授 (70185213)
諏訪 春雄 学習院大学, 文学部, 教授 (60082921)
丸尾 常喜 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (80000610)
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研究概要 |
I.派遣:1989年8月27日より10月7日まで40日間、次の各地の郷村祭祀演劇の調査を行なった。 (1)貴州省安順県〓家屯村の中之節地戯を三日間、調査し,儀礼演目のすべてと本演目三種(三国演義)を参観、録画も許可されて,約6時間分の録画資料を得た。仮面,脚本なども撮影した。 (2)貴州省徳江県灘堂戯を深渓村において調査し、全三日のうち,二日について部分的ながら録画3時間分をとり,多数の場面写真を撮影した。祭祀用の文書,科儀書についても一部撮影し得た。 (3)貴州省織全県綺伯村の慶壇儀礼を三日間にわたり調査した。ただし,未公開ということで,録画はもちろん,写真の撮影も許可されなかったので,ノ-トをとるに止まった。しかし,一応,他と比較し得るに足る見聞を得たと云える。 (4)浙江省紹興県,〓県目連戯を各3時間づつ調査した。調査制限がきびしく,録画などは不許可であったため,主に写真と録音のみで記録したが,それでも刺激的な参観経験を得た。〓県目連戯については、女吊,男吊などの部分の録画を特に許可された。 (5)江薊省南通県の僮子戯を三日間,参観した。録画は許可されず,写真撮影と録音のみ。昨年度と合せて充分な資料を得た。 以上、派遣調査については,昨年度に比べて格段の成果を得たと云える。中国側の制限の厳しい現状からして,満足してよい。II.招聘:1989年12月6日より20日まで,15日間,中国側の四人の専門家を招き,愛知県東栄町の花祭,長野県上村の霜月祭,奈良県春日若宮の御祭の三つを共同調査し,意見交換を行なった。中国側が日本の郷村祭祀を調査したのは初めての経験であり、中国の儺戯と日本の郷村仮面劇との類似性が強い印象を与えた。今回の討論の基礎を得たといえよう。
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