研究分担者 |
彭 飛 上海大学, 文学院, 副教授
潘 朝霖 貴州民族学院, 助理研究員
顧 朴光 貴州民族学院, 助教授
黄 強 上海社会科学院, 文学研究所, 助理研究員
大木 康 東京大学, 文学部, 助教授 (70185213)
諏訪 春雄 学習院大学, 文学部, 教授 (60082921)
丸尾 常喜 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (80000610)
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研究概要 |
1.補充調査;本年度は研究計画の最終年度に当たるため,従来,未調査であった貴州省東境(湖南西境)江西省東部の儺戯について補充調査を実施した。先ず貴州省岑鞏県の木召村において系統的な儺堂戯を観察し,従来,徳江,銅仁等で得た断片的な知見を綜合的に理解し得るようになった。次に江西省の中部、南豊県石郵村の儺舞を調査し,続いて江西省東北部の〓源県長逕村に残る古樸な儺舞を参観した。その結果,この地区の儺舞は第一年次に調査した安徽省貴池県の儺戯の源流と目し得る地位にあることが判明し,安徽、江西,湖南の三省にわたる長江中流域の儺戯を古代の荊楚文化圏を背景にした一つづきのものとして理解し得る方向が開けてきた。研究の最終年度において漸やく中国の儺戯(仮面劇)を荊楚文化圏に関連づける見通しを得たことは,大きな収獲と言える。 2.招聘;平成3年12月に上海大学文学院副教授彭飛氏を日本に招き,中部山間の花祭,霜月祭,及び奈良春日若宮御祭など日本に伝わる仮面劇を共同して参観し,中国との比較の観点から意見を交換した。同氏は中国の戯曲誌編墓の責任者の一人で,中国の各地の儺戯の情報に詳しく,この交流は研究の總括にとり有益であった。 3.調査報告書の刊行;平成3年度末(平成4年3月)を以って,中国文による調査報告書『東亞農村祭祀戯別比較研究』(田仲一成編)を刊行する。目下、校正の最終段階にある。執筆者は,田仲一成,丸尾常喜,大木康,諏訪春雄,顧朴光,潘朝霖など研究組織のメンバ-でそれぞれの調査分担部分について,調査の成果を発表している。なお,メンバ-の一人、黄強氏は諏訪論文の中文訳を担当した。組ペ-ジ150頁,写真60葉。中国の主要研究機関に送付し,今后の共同研究の基礎として活用したい。
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