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1990 年度 実績報告書

温潤熱帯の渓流植物に関する系統進化学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 01041024
研究機関東京大学

研究代表者

加藤 雅啓  東京大学, 理学部, 助教授 (20093221)

研究分担者 河原 孝行  農水省, 森林総合研究所, 研究員 (90221902)
DARNAEDI Ded  インドネシア国立生物学研究センター, 研究員
岡田 博  大阪大学, 教養部, 講師 (40089892)
秋山 弘之  京都大学, 理学部, 学振特別研究員 (70211696)
綿野 泰行  金沢大学, 理学部, 助手 (70192820)
邑田 仁  東京大学, 理学部, 助手 (90134452)
岩槻 邦男  東京大学, 理学部, 教授 (10025348)
キーワード温潤熱帯 / 渓流植物 / 種分化 / 進化 / 狭葉 / 比較解剖 / 細胞分類学 / 渓流コケ植物
研究概要

マレ-シアのマレ-半島およびインドネシアの東カリマンタンと南カリマンタンにおいて渓流植物に関する野外調査を行い,資料標本の収集と生態観察を行った。乾燥標本はラベリングをして研究標本に完成したあと,マレ-シア森林研究所,ボゴ-ル植物標本館,東京大学,京都大学他の研究機関に送付保管される予定である。収集した標本の中には新属と思われるフトモモ科のもの,各科に属する新種シダ類が含まれる。シダ類については本調査で収集した標本などに基いてボルネオ全域の渓流植物相を明らかにした。その結果同島に12種の渓流シダ植物が分布すると考えられていたのよりもはるかに多い40種余が確認された。さらに,これまで条件的渓流種と考えられていたものの中に渓流種と近縁陸生種を含む場合があることや,陸生種からの1次的種分化以外に渓流種からの2次的分化があることも確かめた。狭葉は渓流植物の重要な特徴であるので,葉の比較解剖学的研究を行った。その結果,渓流種の葉は近縁陸生種に比べて葉肉細胞が小さく細胞間隙も小さいことがわかった。葉肉組織の細胞伸長が抑制されることが狭葉化にかかわっていると推定される。葉の内部構造は光合成など生理活性と関連することが知られており,狭葉化に伴なう内部構造の変化が渓流植物の渓流帯への生育限定に関与している可能性が指摘された。渓流植物の細胞分類学的研究を行い,多くの種において2倍体レベルで渓流植物の種分化が起こっていることを確かめた。これまで渓流コケ植物がどんなものかよく知られていなかったが,維管束植物と同様強靭な体構造をもつことがわかったが,維管束植物に比べて小型である渓流コケ植物と生育環境との関係は,維管束大型植物の場合とは異質のものを含むことが明らかになった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] M.Kato: "Fern rheophytes of Borneo" J.Fac.Sci.Univ.Tokyo sect.III. 15. (1991)

  • [文献書誌] M.Kato: "Leaf anatomy of tropical fern rheophytes with its evolutionary and ecological implications" Canadian J.Bot.

  • [文献書誌] M.Kato: "A geophyteーlike variant of fern rheophyte Tectaria hosei(Tectarioideae)"

  • [文献書誌] H.Okada: "Karyomorphological studies of Cladopus nymani H.Moll and Indotristicha malayana Dranst.& Whitmore,Podostemaceae" J.Jap.Bot.(1991)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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