研究課題/領域番号 |
01041028
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
柏崎 浩 東京大学, 医学部(医), 講師 (60004735)
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研究分担者 |
ORIAS Jose ボリビア社会保険病院, 医師
VARGAS Enriq ボリビア高地生物学研究所, 所長
吉永 淳 国立環境研究所, 研究員 (70222396)
渡辺 知保 東北大学, 医学部, 助手 (70220902)
竹本 泰一郎 長崎大学, 医学部, 教授 (60010005)
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キーワード | 生活活動様式 / 生存維持機構 / 環境資源利用システム / 生理学的適応機序 / エネルギ-消費量 / 栄養学的適応機序 / 基礎代謝 / 味覚 |
研究概要 |
当初の計画では、本年度に高地と低地の複数の調査地における調査を実施する予定であったが、これまでの調査の継続性と新しい調査項目を実施するために、高地において集中的な調査を行なうべきとの判断から、本年度調査は高地のみとし、低地の調査は来年度に行なうこととした。平成2年10月から平成3年2月まで、1988年より継続的調査を実施しているワリシカタ(ラパス州南部、標高約4100m)において食物摂取状況、生活活動について現地調査を実施した。食物摂取調査は、特に食塩摂取量を正確に把握し得るよう調査方法を工夫した。また、生活活動調査については、主要活動時の心拍数と酸素消費量をダグラスバッグを用いた呼気採取法により測定した。これらの調査に加え、24時間尿採取、血圧測定、基礎代謝量測定、味覚検査、酸素の安定同位体でラベルした水を用いて24時間エネルギ-代謝量の測定を行なった。24時間尿は、食物摂取調査によるデ-タとともに蛋白質、食塩、微量元素を含む栄養状態について分析する予定である。基礎代謝量は、低温環境であるため日本などで得られている標準的な値より10〜20%高値となることが予想されたが、日本で測定した値と同程度か、やや低い傾向が見られ、温度条件のほかに、食塩や蛋白質の栄養状態と、血圧との関連を検討する必要があると考えられる。味覚検査は、4基本味(甘味、塩味、酸味、苦味)の識別闘値と塩味に対する嗜好を調べた。文献値と比較して、甘味の闘値が低く、酸味の闘値が高い傾向が見られた。また。同時に異なる種類のじゃがいもを使い、味覚によって種類の識別ができるかどうかを調べたところ、苦味の識別闘値が高い者はじゃがいもの識別が困難であることがわかった。今後、食物資源利用過程における味覚の果す役割を検討していく予定である。
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