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1991 年度 実績報告書

中国における農業生態空間の展開と人の移動に関する歴史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 01041048
研究機関京都大学

研究代表者

古川 久雄  京都大学, 東南アジア研究センター, 教授 (00026410)

研究分担者 桜井 由躬雄  東京大学, 文学部, 助教授 (80115849)
梅村 坦  立正大学, 教養部, 教授 (90124289)
森安 孝夫  大阪大学, 文学部, 助教授 (70157931)
片山 剛  大阪大学, 文学部, 助教授 (30145099)
浜島 敦俊  大阪大学, 文学部, 教授 (40012976)
河野 泰之  京都大学, 東南アジア研究センター, 助手 (80183804)
阿部 健一  京都大学, 東南アジア研究センター, 助手 (80222644)
山田 勇  京都大学, 東南アジア研究センター, 助教授 (80093334)
海田 能宏  京都大学, 東南アジア研究センター, 教授 (00026452)
高谷 好一  京都大学, 東南アジア研究センター, 教授 (90027582)
キーワードタリム盆地シンクホ-ル仮設 / オアシス農耕 / 遊牧ベルト / 農耕文化伝播 / オルドス青銅器 / 農耕遺跡 / 雲南の焼畑
研究概要

本年の調査は、東西文化交流の主要な3ル-トで実施した。オアシスル-ト、草原ル-ト、南海ル-トである。オアシスル-トは生態的に三つのニッチェから成る。砂漠、オアシス、山地の疎林・草原である。草原は蒙古草原ベルトにつづく。
タクラマカン、ズンガリア、ツァイダムの諸砂漠はアジア大陸の中世代堆積盆に点在する蒸発岩地帯に溶食で生じた巨大なシンクホ-ルである。シンクホ-ル中心へ向かう砕層物と水の流れがオアシス都市群の形成基盤である。
オアシスベルトと草原ベルトは生業及び文化的に各々固有の性格と歴史をもつが、同時に密接な相補関係にある。オアシス潅漑農耕空間の沿源は古く、考古遺物的には紀元前4千年紀のイランのスシアナのジョッキ型彩紋土器が広く分布し、メソポタミアの農耕文化が早い時期に伝播している。他方、草原ベルトは大興安嶺から東欧迄ユ-ラシアにまたがるが、先史文化を見ると特徴的な渦状の角を持つ山羊の岩核画が全面に分布し、均質な遊牧民文化がやはり新石器時代前期に成立している。遊牧民のオアシス農耕地帯への侵入が草原ベルトの両端で生じたことを示す証拠はオルドス青銅器とイランのルリスタン青銅器の並行関係的類似性である。オルドスとスシアナはアジア大陸内陸部から華北平原とメソポタミア平原への人間の吹き出し口である。
農耕伝播の証拠を見ると、トルファン盆地にBC5千年紀の農耕遺跡があり、また華北では甘粛の大地湾、陜西の老官台、河北の磁山、河南の裴李崗など吹き出し口近くに新石器早期の遺跡が密集することが重要である。
雲南の焼畑は穀作の森地地帯における変型であることが農具、民俗資料、儀礼から推論される。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 古川 久雄: "マライシアの農耕系譜" 東南アジア研究. 29(3). 235-305 (1992)

  • [文献書誌] 森安 孝夫: "ウイグル=マニ教史の研究" 大阪大学文学部紀要. 31,32. 1-248 (1991)

  • [文献書誌] 梅村 坦: "中国歴史博物館蔵吐魯番考古紀所集回鶻文古文献遇眼録" 中国社会経済史研究. 1. 157-163 (1991)

  • [文献書誌] 古川 久雄: "インドネシアの低湿地" 勁草書房, 1-258 (1992)

  • [文献書誌] 高谷 好一: "コメをどう捉えるのか" 日本放送出版協会, 1-226 (1990)

  • [文献書誌] 山田 勇: "熱帯アジアの多雨林世界" 創文社, 1-422 (1991)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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