研究分担者 |
ZAHARI Abu B マレーシア農業研究所, 研究官
AINI Zakaria マレーシア農業研究所, 研究官
CHAIWAT Stit タイ国土地開発局, 研究官
RISOOT Vijan タイ国土地開発局, 研究調整官
岡崎 正規 東京農工大学, 農学部, 助教授 (00092479)
金子 信博 島根大学, 農学部, 助教授 (30183271)
米林 甲陽 京都府立大学, 農学部, 教授 (00046492)
但野 利秋 北海道大学, 農学部, 教授 (40001440)
鈴木 邦雄 横浜国立大学, 経営学部, 助教授 (30018048)
長野 敏英 東京農業大学, 総合研究所, 助教授 (10012006)
高井 康雄 東京農業大学, 総合研究所, 教授 (40011796)
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研究概要 |
タイ国ナラチワ、マレ-シア国サラワク州サマラハン、ナマンにおいて、植生、気象、土壌、水質調査、作物栽培試験を実施した。 主要な研究実績は次のとおりである。 1)バル-ン写真:泥炭地湿地林の植生調査を、バル-ン写真と、若干の実地踏査を元に行ない、植生図化を行った。 2)植物生態:自然林内にリッタ-トラップを設置し、1年間の落葉,落枝量を測定し、元素分析を行なった。落葉量は1年間を通しほぼ一定であること、養分循環量はNで61kg/年であることなどを認めた。また、新たにナマン地区に調査プロットを設置した。 3)微気象:開墾地上空で、熱、水蒸気、二酸化炭素、メタンの測定を行なった。熱収支法として、うず積算法による各フラックスの推定法を開発検討した。 4)土壌呼吸:自然林、開墾地で、年間を通じ土壌呼吸量を測定した。CO_2発生量から評価した泥炭の沈下量は1.8cm/年となり、実際の沈下量(2.5cm/年)の約7割をしめることを認めた。 5)土壌動物:自然林内の大型動物、小型節足動物密度を調査した。貧毛類は泥炭中にほとんど存在せず、浜堤上の砂質土に存在した。 6)土壌トレンチ:10mトレンチの泥炭断面精査を行ない図化した。深さ20cmごとに50lの泥炭を採取し 木質部をサイズ別に分取し、元素分析を行なった。生根が木質を破壊する標本を見い出した。 7)土壌溶液,表流水:泥炭から流出する河川水中のCu,Zn量の測定を行なった結果,Znは1ha当たり0.2kg/年,泥炭から溶出するが、Cuは泥炭と強固に吸着して溶出しないことを認めた。 8)作物生育:大麦の栽培試験を行ない、CuとBの欠乏が、不稔の原因となることを確認した。フェノ-ル性化合物の存在は植物生育の阻害要因となることを認めた。
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