研究分担者 |
FRANSEN Char オランダ国立自然史博物館, 動物部門, 主任研究員
HOLTHUIS Lip オランダ国立自然史博物館, 教授館員
上田 恭一郎 北九州市自然史博物館, 学芸課主査
武石 全慈 北九州市立自然史博物館, 学芸員
町田 吉彦 高知大学, 理学部, 教授 (40117023)
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研究概要 |
シ-ボルト収集動物標本類の探索は昆虫、甲殼類(剣尾類含),魚類,鳥類,哺乳類,化石,その他について行った。約2300点について調査研究,撮影することができた。 シ-ボルト標本の一部が交換のためにオランダ国外に送られたことは前年度までの調査で明らかであった。これはオランダ国立自然史博物館がシ-ボルトも了解の上で行ったことである。しかし,その実態がはっきりしないので出島からの標本の送り状や現有標本の台張,大英博物館の標本受入れ台帳等について調査を行った。その結果,オランダ国外へ持出された標本の割合は予想外に高く,特に鳥類では60%程度に達していることが判明した。 関連資料類の調査では大きな発見があった。未刊に終ったファウナ・ヤポニカ第6巻(棘皮動物篇)については図版10葉のみが知られていた。この度ナマコを扱った別の図版の印刷用石版を発見した。その結果,第6巻の準備が当初の予想以上に進んでいたことが判明した。また,別に両生類,爬虫類の彩色写生画を発見できた。これは文書の調査によって存在を知り,探索して見出したもので,27枚の図があり,川原慶賀筆である。 これらの他にニホンオオカミの生時の写生図,川原慶賀のイルカの写生図なども調査した。これらはすでに存在は判明していたが,調査したのは今回が初めてである。 オランダには日本の動物学史,自然史に関して重要な,興味ある資料がまだ数多く埋もれていることは確実である。さらに探索,調査研究を行う必要がある。
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