研究分担者 |
FRANSEN char オランダ国立自然史博物館, 動物部門, 主任研究員
HOLTHUIS Lip オランダ国立自然史博物館, 教授館員
上田 恭一郎 北九州市立自然史博物館, 学芸課主査
武石 全慈 北九州市立自然史博物館, 学芸員
町田 吉彦 高知大学, 理学部, 教授 (40117023)
|
研究概要 |
この度見出したシ-ボルト収集の動物標本合計約2,800点について種の同定作業を続けるともに,報告書あるいは論文等において紹介するために必要な調査研究や準備を進めた。国会図書館に保存されているシ-ボルト自筆の日誌コピ-その他の資料についても調査を行って,日本におけるシ-ボルトの動物学上の活動状態の具体的な把握にも努めた。 また,研究代表者の山口隆男をオランダへ派遣し,標本の補充的調査,撮影を行った。国立自然史博物館に保管されている文書類の調査も行って,シ-ボルトが博物館とどのような接触を行っていたか,標本はどのように送付され,受け入れられたのかを博物館年報について調べた。さらに,標本の交換と売却の記録簿を調査して,館外に持ち出されたシ-ボルト標本の割合と内容を調べた。ヨ-ロッパ各地の博館物に直接送られたものもあるが,貝類や昆虫などの場合はかなりの数の標本が標本商に売却されていたことを突き止めることができた。 ファウナ・ヤポニカ第6巻に関する石版原版は前年の調査によって見つかっていた。それを現地の美術印刷工房に委託して印刷を試みた。すでに150年を経過していたにもかかわらず,ナマコの図版が描かれており,第15図版であることが判明した。その結果,第6巻には少なくとも図版が15葉あったことが明らかになった。 国立自然史博物館当局と折衝を行い,成果の発表にさいして標本や写生画の写真,文書等の資料を自由に公表して差しつかえないという認可を得ることができた。
|