研究課題/領域番号 |
01041079
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
山岸 哲 大阪市立大学, 理学部, 教授 (80101286)
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研究分担者 |
江口 和洋 九州大学, 理学部, 助手 (60136421)
小山 直樹 京都大学, アカリカ地域研究センター, 助教授 (40027496)
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キーワード | マダガスカル島 / 適応放散 / オオハシモズ科 / 原猿 / ワオキツネザル / ベロ-シファカ / 採食習性 / 生態的地位 |
研究概要 |
鳥類では、念願のヘルメットモズにマソワラ半島アンバニザ-ナの原生林で出会うことができた。その他のアカオオハシモズ、シロノドハシボソオオハシモズの採食デ-タを新らたに得ることができた。 これでオオハシモズ科14種のうち、13種についての生息環境及び比較採食生態を明らかにすることができた。13種は採食の高さ、部位、採食方法を違えて、キツツキ科、モズ科、シジュウカラ科、ゴジョウカラ科を欠くこの島で空いた生態的ニッチェを埋めて適応放散していることが判明した。 特記すべきはシロノドオオハシモズとハシナガオオハシモズであり、他の大陸でキツツキ類が果している役割を占めることが明らかになった。 原猿類では、ワオキツネザルで昨年に続き、群れの誕生、崩壊、メス集団による群れの奪取という大きな社会変動を記録することができ、三っ児と双児をもつ2頭の母親がアカンボウを他個体に預托する新行動が世界ではじめて明らかにされた。 ベロ-シファカでは3群23頭の行押を追跡した。その結果シファカの社会は、1頭または複数の繁殖可能なメスと、1頭の繁殖活動が非常に高いオス、そしてその他のオス(たち)から形成されていることがわかった。この繁殖活動の高いオスは最も高頻度にマ-キングするが、他のオスたちのマ-キング行動を含む繁殖行動は第1オスの存在によって抑制されているものと予想される。
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