研究課題/領域番号 |
01041107
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研究機関 | 国際日本文化研究センター |
研究代表者 |
白幡 洋三郎 国際日本文化研究センター, 研究部, 助教授 (10135543)
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研究分担者 |
WIJNANDS Dir ワーゲニンゲン大学, 植物園園長
KUITERT Wybe ワーゲニンゲン大学, 助手
HENIGER Hans ユトレヒト大学, 講師
松田 清 京都大学, 教養部, 助教授 (40027561)
園田 英弘 国際日本文化研究センター, 研究部, 助教授 (50027562)
中村 一 京都大学, 農学部, 教授 (20026397)
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キーワード | 日蘭交流史 / 博物学 / エンゲルベルト・ケンペル / 本草学 / 文化交流 / アンドレアス・クライエル |
研究概要 |
1991年度科研費実績報告書 本年度は、まず大英図書館において、17世紀末に来日したドイツ人医師エンゲルベルト・ケンペル関係の資料を調査した。彼の日本旅行記草稿や日本の民俗・植物相などについてのメモ、滞在中に収集した地図、本草書、歴史書等を閲覧した。この文献のマイクロフィルムでの複写を大英図書館に依頼し、3月中にこれらが到着した。また大英博物館(自然史部門)において、ケンペルが採集した日本産植物標本の調査・写真撮影を行った。 ベルリン国立文書館では、オランダ側研究者とともに17世紀末の出島商館長アンドレアス・クライエル収集の日本産植物図を調査・閲覧した。この資料のカラ-フィルムでの複写撮影を依頼し、これも3月中に到着した。 大英図書館所蔵ケンペル関係文書は、これまで日本では医学史関係において一部が紹介されていたものの、その全体は紹介も利用もされたことがないものであることがわかった。日本産植物のケンペル自身によるスケッチが存在することや植物採集の具体的な相子が窺える会話を記したメモなどが存在することが判明した。この資料により、日本産植物の知識がケンペルによって、ヨ-ロッパ社会に紹介された様子がうかがえる。クライエル関係資料は、日本産植物名の記載が長崎方言ではないかと思われ、この分野の専門家の支援を受ける必要がある。また、大英博物館(自然史)では17・18世紀の間に作成されたと思われる日本ではまだ紹介されていない日本産植物標本帳を調査することができた。以上の詳しい分析・検討は来年度。 なお一昨年(初年度)に調査した資料をもとにした研究成果は別紙の通りである。
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