研究概要 |
本年度は以下の成績を得た。 (1)オランダ・EC諸国由来菌300株の型別不能株は44%でありMRSA(5〜7%)も同様の傾向を示した。(E.Stobbering博士分担結果) (2)1990年インドネシア4地区由来197株の型別不能株は52.7,90,50,64%と施設によって事なり、平均57.4%であった。またMRSAの分離率は7.1%と1988年に比べ微増していた。型別化率はMSSAの方がMRSAに比べ高い傾向を示した。(大久保豊司技官派遺結果、C.Usman博士共同) (3)本邦群馬大学由来菌の型別不能株は1987年MRSA(20.3%)、MSSA(27.6%)、1988年MRSA(55.4%)、MSSA(35.4%)、1989年MRSA(50%)、MSSA(35.4%)、全体38.5%(322株)と上記外国結果に比べ低い値を示した。 (4)インドネシア由来型別不能株について新しく分離したファ-ジ8種の内4種の有効性について検討した。K1,K2,K9,K12の4種の型別化率は7.9%であった。 (5)標準ファ-ジにより本邦分離型別不能株について新しいファ-ジによる型別化を検討した。MRSA(131株)の型別化率は4.5%MSSA(191株)は30%であり、インドネシア由来株に比べ約4倍程度高い値を示した。この結果は黄色ブドウ球菌の細菌学的性状の異なりを反映したものと考えられた。 (6)本年更に新たに4種のファ-ジを分離した。 (7)(4)の結果から残り10種のファ-ジによる標準ファ-ジによる型別不能株のMRSA及びMSSAに対する型別化が十分期待され、次年度各国由来MRSA、MSSA株について検討しまとめる事とした。
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