研究分担者 |
辺 天羽 天津市長征医学院, 院長
王 黎曼 天津中西医結合皮膚病研究所, 皮膚科, 助手
王 珮 北京医科大学, 人民医院・薬理学, 付教授
馮 高章 哈爾浜医科大学, 第2医院・皮膚科, 付教授
姜 学又 北京医科大学, 第3病院・皮膚科, 教授
田 丁 北京医科大学, 人民医院・内科, 付教授
山本 卓 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手
中山 健夫 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手
土田 満 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (00163824)
山口 百子 国立健康栄養研究所, 成人健康栄養部, 部長
峰下 哲 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (00014358)
田中 平三 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (70047215)
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研究概要 |
ベ-チエット病(ベ病)に関する日中協同研究も本年度が最終年度となった。当初の研究計画に沿っておゝむね研究もはかどりいくつかの成果をあげることが出来た。主なものは次の通りであり、その詳細に関しては第11回国際組織適合ワ-クショップで発表した。 1).ベ病とヒト白血球抗体(HLA) a).HLAーI,II型の分布:中国人のうち黄河以北に居住する漢民族のベ病患者120名と対照としての健康な100名についてHLAーA,B,Cのタイピングを行った。患者の内訳は男性39名,女性81名,年令は19才から63才までで,完全型43名,不全型77名であった。対照群は同じ地域に居住する漢民族の男女であった。一般的にはこれまで日本人に関してはHLAーA31,B51,DRw6及びDRw52などとの相関が示されておりとりわけB51との強い相関が示されている。今回のこの漢民族の結果は患者120例中67例(55.8%)にB51が認められ、健常者では100例中12例(12%)にB51が認められた。これは諸外国における異なる民族のデ-タとほゞ一致している。b).HLAーIII型の分布:HLAーIII型は,C4A,C4B,Bf,C2の補体成分から成りその遺伝子の多型性が認められ,自己免疫疾患との関係が研究されている。中国の漢,苗,維,謡などの異民族についてSLEをはじめいくつかの疾患について報告されているがベ病に関してはまだ報告がない。今回は81名の漢民族の患者について調査され,C4A4及びC4AQoが明らかに増加しており,C4A2,C4BQo,Bfsは減少を示した。ベ病ではSLEとは異なる抗原を持つと考えられる。C).完全型ベ病患者のHLAーI,II型の分布ー日本と中国の比較ーA2,A3,B51などの出現頻度に関しては双方とも正常人に比べ高かったが,両国間では有意差は認められなかった。今後更に詳細に検討し遺伝的背景の相違を明らかにしたい。
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