研究課題/領域番号 |
01044066
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
日高 弘義 名古屋大学, 医学部, 教授 (80100171)
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研究分担者 |
HARTSHORNE D アリゾナ大学, 生化学栄養食品科学部門, 教授
渡辺 正人 名古屋大学, 医学部, 助手 (30220924)
萩原 正敏 名古屋大学, 医学部, 助手 (10208423)
小林 良二 名古屋大学, 医学部, 助教授 (00020917)
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キーワード | ミオシン脱リン酸化酵素 / カルモデュリンキナ-ゼII / KNー62 / カルシウム結合蛋白 / カルギザリン / カルバスクリン |
研究概要 |
当初計画通り、(1)平滑筋ミオシン脱リン酸化酵素の分離精製製、(2)カルモデュリンキナ-ゼIIの平滑筋収縮における役割の解明、(3)平滑筋の新しいカルシウムシグナル伝達系の検討を試みた。 まず脱リン酸化酵素に関しては、PNPPを基質としてLiらの方法で活性を測定し、超遠心分離、硫安分画、DEAEセルロ-スクロマトグラフィ-で部分精製を行ったところ、3つのピ-ク(I,II,III)が分離された。ピ-クII及びピ-クIIIは、リン酸化ミオシンを基質として脱リン酸化した。ピ-クIIは、どのプロテインキナ-ゼでリン酸化されたミオシンも脱リン酸化したが、ピ-クIIIではCキナ-ゼによってリン酸化されたミオシンだけが脱リン酸化された。これらの脱リン酸化酵素が平滑筋収縮調節機構においてどのような役割を果たしているかは今後の検討課題である。1989年に我々がカルデスモンリン酸化酵素がカルモデュリンキナ-ゼIIと同一であることを見い出して以来、平滑筋収縮でのカルモデュリンキナ-ゼIIの役割を追求している。カルモデュリンキナ-ゼII阻害剤KNーb2を家兎大動脈条片摘出標本に添加したところ、ノルエピネフリン収縮には無効であったが、カルシウム収縮を有意に抑制した。このことは、カルモデュリンキナ-ゼIIが血管平滑筋収縮調節に重要な役割を果たしていることを示唆している。平滑筋内でカルモデュリン以外にもカルシウムシグナル受容体が存在する可能性について検討し、鶏砂のうからカルギザリン、牛大動脈からカルバスクリンという新しいカルシウム結合蛋白を発見し単離した。 以上の研究を遂行し研究成果を公表するに当たって、Dr.ハ-トショ-ンと研究協力者のDr.カラホリを招へいし、渡辺正人と研究協力者の水谷顕洋をアリゾナ大学に派遣した。
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