研究課題/領域番号 |
01044089
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松原 央 大阪大学, 理学部, 教授 (00028242)
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研究分担者 |
YOUSSEF Hate Research Institute of Scripps Clinic, Member
大岡 宏造 大阪大学, 理学部, 教務員 (30201966)
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キーワード | ミトコンドリア / 電子伝達系 / 複合体I / 鉄イオウ蛋白質 / 一次構造 |
研究概要 |
昨年度に引き続きカルボキシメチル化及びシトラコニル化した複合体Iの鉄イオウ蛋白質画分から10種のポリペプチドを単離し、それらの構造解析を行った。特に今年度は、そのシステイン含量から鉄イオウ活性中心をキレ-トしている可能性が高いと考えられる分子量30Kと20Kのポリペプチドについて解析を進めた。30Kのポリペプチドはさらに2つの画分に分離され、されらの異同が定かではなかったが、その後の分析により一方は複合体Iのフラビン鉄蛋質画分に含まれる24Kポリペチベであることが判明した。もう1方については、現在までに約75%に相当する200残基のアミノ酸配列を決定することができた。興味深いことに、得られた配列は高等植物の葉緑体DNAの未同定オ-プンリ-ディングフレ-ムにコ-ドされる未知蛋白質と低いながらも相同性を示した。しかし、30Kポリペプチドから得られた[4Feー4S]型フェレドキシンに特徴的なシステインの配置を持つペプチドに相同性を示す部分が見当たらず、現在このペプチドの帰属について更に検討を加えている。昨年度新たに見出した20Kポリペプチドについても約30%(60残基)の配列を決定したが、20Kポリペプチドの含量が他より少ないこともあってなかなか解析が進まない。現在までに決定した部分では、既に報告されている蛋白質の構造と類似性は認められない。更に複合体Iのフラビン鉄蛋白質画分の9Kポリペプチドについても構造解析を進め既に約70%の構造を決定した。最近、イギリスやアメリカでも複合体Iの構成成分の構造解析が遺伝子の解析から進められているとの情報もあり、これらのポリペプチドの構造決定の完成が急がれる。
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