研究分担者 |
キンケード ポール オクラホマ医学研究センター, 部長
スミス ケンドール ダートマス大学, 医学部, 教授
メルシャーズ フリッツ バーゼル免疫研究所, 所長
等 泰道 熊本大学, 医学部, 助手 (10222241)
富永 明 熊本大学, 医学部, 助教授 (50172193)
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研究概要 |
ヒトインタ-ロイキン5(ILー5)は,好酸球の増殖分化誘導活性を示すことが知られている。我々は既にヒト好酸球の細胞表面上に一種類の親和性(解離定数kd=170ー330pM)を示す分子有55ー60kDaのヒトILー5受容体(ILー5R)が見出させること,並びにマウス低親和性ILー5RのcDNA単離に成功したことを報告した。今年度我々はヒトILー5Rの構造と機能を明確にするために,そのcDNAを単離し,その性状について検討した。マウス低親和性ILー5RのcDNAをプロ-ブとして用いたクロスハイブリダイゼ-ション法により,ヒト好酸球ライブラリ-からcDNAクロ-ンを単離した。このcDNAは細胞外領域が324個,細胞膜貫通領域が21個,細胞内領域が55個のアミノ酸よりなる蛋白質をコ-ドしていると予想された。この蛋白質はマウスILー5Rとの間で約70%の相同性を示し,特にシステイン残基,N型糖鎖結合可能部位及び細胞内領域のプロリンクラスタ-をよく保存していた。細胞外領域はフィブロネクチンIII型ドメイン構造が3回繰り返す構造をとっており,サイトカインレセプタ-ファミリ-に特徴的な2つのシステイン残基対と“WSXWS"モチ-フを保存していた。ILー5との結合試験及び化学架橋実験による解析において,COS7細胞に発現させたcDNA産物は,特異的にILーのを結合し,ヒト好酸球に発現しているILー5Rと類似した親和性,分子量を示した。ノ-ザンブロット解析では約5.3kbと1.4kbのmRNAが,ILー5結合能のある好酸球及び幼若赤芽球様細胞株(TFー1)に限って検出された。現在,今回クロ-ニングしたILー5RがヒトB細胞に発現しているか否かを検討している。
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