研究分担者 |
山田 英俊 徳島文理大学, 薬学部, 助手 (90200732)
西沢 麦夫 徳島文理大学, 薬学部, 教授 (40137188)
カイルー ソフニ インドネシア国立原子力研究センター, 研究員
カイルー インドネシア科学院, 生物学研究センター, 主任研究員
松本 武 ダイセル化学工業株式会社, 総合研究所, 主任研究員
徳山 孝 大阪市立大学, 理学部, 教授 (70046944)
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研究概要 |
平成3年度は本課題の最終年度であるので,過去2年間に採集した動植物材料の処理と成分検索,生物活性検定を完了すべく研究を進めた。(1)サルノコシカケ科きのこのGanoderma属,Tremetes属などの未処理のものついて粗抽出物の抗腫瘍プロモ-タ-活性をしらべ,その内数種に顯著な活性を認めたが,Ganoderma applanatum以外は成分の分画と化学構造の検討にはなお材料の追加採集を要し今後もボゴ-ルの生物学研究センタ-において検討を続ける。G.applanatumの成分applanoxidic acid類は,既発表〔Phytochemistry,(1991);熱帯雨林の医用資源シンポジウム(平成3年5月・クアラルンプ-ル)〕のA〜Dの4種以外に,なお約10種の結晶性成分があり,この内の5種E〜IにNMRの解析等より構造を与えた。(2)中部スラウエシシで採集した伝承薬用植物約50種の内9種の粗抽出物に強い抗腫瘍プロモ-タ-活性の存在が認められたので,現在なお分画を進めつつあるが,中間結果は第50回日本癌学会(平成3年9月,東京)において発表した。(3)これまでジャワ,スラウェシ産のBufo属ヒキ蛙の表皮成分として新種の強心ステロイドのほか,同骨格を含む大環状アルカロイドを單離報告してきた(平成3年4月,日本化学会第61春季年会,横浜,平成3年10月第33回天然有機化合物討論会,大阪)が,本年は北スマトラ・トバ湖周辺の同種の蛙Bufo melanosticutusを採集し,その表皮アルカロイド及びステロイド成分の比較検討をおこなっている。 從来二年毎に更新して来たインドネシア産熱帯動植物成分に関するインドネシア科学院との共同研究プロジェクトは,平成4年3月で第5回が終了するが,なお引続き更新して継続することを,生物学研究センタ-所長らとの間で合意した。
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