研究分担者 |
スワンチャイ プンハ゜ク マヒドル大学, 熱帯医学部, 副教授
タユト チンタナ マヒドル大学, 熱帯医学部, 副教授
ワニダ ケルドピーブル マヒドル大学, 熱帯医学部, 副教授
ソムチャイ リミングサワ マヒドル大学, 熱帯医学部, 助教授
小川 賢一 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (10139644)
平山 謙二 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (60189868)
高井 憲治 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教授 (60121167)
池庄司 敏明 東京大学, 農学部, 教授 (90012054)
CHINTANA Thayooth Associate Professor, Department of Protozology, Faculty of Tropical Medicine, Ma
LEEMINGSAWAT Somjai Assistant Professor, Department of Medical Entomology, Faculty of Tropical Medic
OGAWA Ken-ichi Assistant, Department of Medical Zoology, St. Marianna University School of Medi
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研究概要 |
環境保全のもとに、殺虫剤の使用を極度に制限し如何に効果的に疾病媒介者を防除するかの方法の開発と応用の研究をおこなっている。病害動物には非常に類縁的な種の間の分化や、或はいまだに別種であるかシノニムであるかさえ確認されていない分類群が存在している現状にある。このような系統学的ならびに、病原性に関する類以乃至相違性の検討の必要性が、東南アジア地域で現に流行が目立って取り残されている病害動物の関与する疾患についてクロ-ズアップされてきている。この研究はすでに1981年ごろから続けているが、我々研究グル-プは、このような現実的要請の下、基礎的並びに実用化のための応用実験をタイおよびマレイシアにおいておこなっている。今年度は、池庄司らはマレイシア・ペナン島を中心にヤブカ類の物理的、化学的刺激についての野外実験から、ヒトスジシマカの捕獲試験では、色彩は黒色、温度、音が雌雄に対し各々有為な誘引性をしめし、また防除の高効率化には黒色音響捕獲には長距離吸血誘引物質の高濃度薬剤処理の必要性をしった。ネッタイシマカは、温度、湿度、乳酸、黒色、炭酸ガス、動き、音は単独での誘引性がみられた。S.Leemingsawatを主にタイ・カンチャナブリ・タラムヤイ村マラリア流行地において、媒介者の密度の消長を、凝似羽音吸血炭酸ガス捕獲器を用い、密度のモニタリング法を開発するのに成功した。尚音響の波長 応答に媒介種内分類群固有の周波数を持つことを知った。尚分布地域集団にも異なる周波数集団がみられ、遺伝的分化との関係が実証された。本捕獲法はマラリア作業員のヒト吸血作業を回避し、マラリア感染からの災害防止上からも役立つ。幼虫成長抑制剤(IGR)の山麓地帯マラリア流行地への応用により、0.5ppbの濃度bに渓流発生媒介種防除を年間を通し、雨期乾期に関し、必要な時期に応用する方法を開発した。尚媒介者の外流行地において天敵魚による防除法、IGRによる防除法、対照地域の三者の比較実験を行なっている(Vanida Kerdpibuleら)、さらに音響吸血ドライアイス捕獲器、IGRの応用の併用防除法の計画をカンチャナブリ省においてたてた。日本脳炎媒介蚊のバンコク周辺から各々離れた三地域(30,100,300km)に於ける媒介種の分布の相違を音響吸血ドライアイス捕獲器およびヒト吸血捕獲法によりしらベ、音響捕獲防除法、IGRの応用防除法の応用実験をおこない、実用化にむけての準備をすすめている(v.Kerdpibuleら)。 ヌマカ類の防除にIGRの応用の準備に予察調査をクアラルンプウル郊外の錫廃抗においてヒト吸血捕獲法、音響吸血捕獲法、幼虫捕獲法の三者により行なっている(マレイシア国立医学研究所IMRとの共同研究)。 トキソプラズマ症のラテックス凝集反応法によりバンコク市・スラム街、農村、市内産院の三者において調査し中枢神経系疾患殿関係を検索虫である(T.Chintana)。 肺吸虫および肝吸虫について:日本及びタイの寄生蠕虫のうち、さし当り肝吸虫と肝吸虫の系統発生遺伝学的関係をしらべるため、病原性の相似性相違性に関係し、病原体の細胞遺伝、アイソザムの遺伝子頻度による変異乃至多型そしてDNA塩基対の組成構造の比較と諸種病原性との関係を明らかにする。とくに肝吸虫では、発癌性、病態生理とくに手始めに超音波診断法および臨床所見の解析をおこなっている(S.Pungpakら、C.Komalamisra)。Dirofilariaの系統発生についてB.B.Omarが今までの諸資料をもとに見解をまさめた。Angiostrongylus属のmtDNAを分離し制限酵素による分解断片の種間変異を解析し病原性の相違の因果関係の調査を進めている(飯田ら)。
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