研究課題/領域番号 |
01044151
|
研究種目 |
国際学術研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
丸山 有成 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 教授 (40013479)
|
研究分担者 |
C.W. Wallace National Science Foundations, 主任調査官
金崎 英二 徳島大学, 工学部, 講師 (50116802)
森 健彦 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (60174372)
神田 精一 徳島大学, 工学部, 教授 (00035586)
井口 洋夫 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 所長 (00100826)
WALLACE C.W. Senior Program Manager, National Science Foundation
|
研究期間 (年度) |
1989
|
キーワード | 有機超伝導材料 / 有機導電体材料 / 動的光学治療用材料 / 可溶性フタロシアニン / 光音響カロリメトリ- / 酸化物超伝導体材料 / 超伝導薄膜 / 研究者交流 |
研究概要 |
本年度は若手研究者である森健彦氏及び金崎英二氏を長期間米国に派遣して調査研究を行った。又、丸山は12日間訪米して新材料の動向調査及び今後の交流計画についての折衝を行った。以下それぞれの研究成果の概要を述べる。 1.有機超伝導体材料についての調査研究 森健彦氏は9/15/1989から1/14/1990までのアルゴンヌ国立研究所に滞在し、“化学電子構造グル-プ"のJ.M.Milliams博士のもとで有機超伝導体の合成の研究に従事した。まず、新しい有機電子供与体であるbis(ethylenedioxy)tetrathiafulvaleneの新しいかつより容易な合成経路を開発し、それを供与体とする銅チオシアン錯体において1.2KのTcを持つ超伝導体を得ることに成功した。又、新しい非対称電子供与体であるethylenedioxy ethylendithio tetrathiafulvaleneの合成に成功し、それをもとにいくつかのラジカルカチオン錯体を合成した。それらのいくつかはかなり高い導電性を示し、今後の発展が期待できる。又、その他に米国における有機導電性材料についての研究動向に関する情報収集も行い、十分な成果をあげることができた。 2.Photodynamic Therapy(動的光学治療)材料についての調査研究 金崎英二氏は7/1/1989から12/31/1989までの6ケ月間ロチェスタ-大学(ニュ-ヨ-ク州)に滞在し、J.L.Goodman走授のもとで標記材料の評価法についての調査研究を行った。具体的には、可溶性フタロシアニン類についてナノ秒時間分解光音響カロリメトリ-法(PAC)を用いて溶液中での分子の無輻射緩和過程の研究を行った。時間分解PAC法は、現在米国内で活発に用いられている手法であるが我国では殆ど知られていない。今回の共同研究により、この方法の技術的詳細及び将来の可能性等を上記実験を通して知ることができ、又この分野の研究者との交流もできたため、調査研究としては大変有意義であった。 3.新材料に関する米国物理学会の動向についての調査研究 丸山有成は3/10ー3/16,(1990)に行われたアメリカ物理学会春季年会(アナハイム)に出席し、主として酸化物超伝導体(特に薄膜)及び有機導電体に関する調査研究を行った。前者については依然として大変多くの研究者が各種の研究を続行中であるが、特に目新しい進展は認められなかった。後者についても研究は詳細にわたっているが、革新的な展開はみられなかった。 4.本共同研究の今後の交流計画について 丸山有成は、3/19/1990にイリノイ大学材料科学科のJ.Economy教授を訪問し、特に米国若手研究者の日本への受け入れについて協議を行った。基本的には意見の一致を見たが、具体的な点については個々に協議することになった。
|