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1990 年度 実績報告書

北極海、氷縁域の海氷生成が海況および海洋生物に与える影響についての比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 01045001
研究機関北海道大学

研究代表者

青田 昌秋  北海道大学, 低温科学研究所・附属流氷研究施設, 教授 (40001664)

研究分担者 白澤 邦男  北海道大学, 低温科学研究所・附属流氷研究施設, 助手 (50196622)
KELLEY John  アラスカ大学, 海洋研究所, 教授
NIEBAUER Hen  アラスカ大学, 海洋研究所, 教授
ALEXANDER Ve  アラスカ大学, 海洋研究所, 教授
キーワード海氷構造 / 海洋生物 / クロロフィル-a / オホ-ツク海 / 大気ー海氷ー海洋相互作用 / 海洋生産力
研究概要

(1)海氷の構造、成長速度と生物・化学的組成の関係の研究:
氷海は海洋の生産力に如何に寄与しているか。この問題については、近年、南極および北極海周近での本格的観測が開始されたばかりである。当研究では、北海道大学が海氷の物理的性質を、アラスカ大学、カナダ・ラバ-ル大学が生物・化学分析を担当して、海氷の組成、構造、生成条件と生物量の関係についての基礎的研究を行ったものである。カナダ・ハドソン湾クジュアルピ-クにおいて、岸から2〜3km毎、沖合い20kmまでの海氷の採集を行い、各サンプル(氷厚100〜150cm)の5cm毎の、物理的性質と生物、化学的組成分析を行った。海氷の、作理的性質であるブライン(海氷中の濃縮塩細胞)体積、海氷の成長速度、含有気包量と生物化学成分ー塩分、硝酸塩、リン酸塩、珪酸塩、クロロフィル-aの鉛直分布を求め、それぞれの関係を調査した。その結果、海氷中の微小珪藻生物量の分布は、基本的には、海氷の成長速度に支配されることが明かにされた。
(2)薄氷海域における大気ー海洋の熱輸送機構の観測・研究
海氷は海面を覆う太陽光に対する反射板、フィルタ-である。また、断熱材である。そのため、海氷の生成、成長によって、海洋と大気間の熱交換、運動量の交換のメカニズムが開水域とは大きく異なると考えられる。これは、地球規模の大気の循環に関わり、気候変動予測のためのパラメ-タとし重要である。また、海氷下の光量の変化は、植物性プランクトンの光合成に関係し、人類の水産資源に影響を及ぼすといえる。当研究では、オホ-ツク海の氷海中に設置した、流氷観測タワ-において、超音波風速計、日射計によって、熱輸送量、運動量輸送量、日射量の連続観測を現在の継続実施中である。このデ-タの一部は現在解析中である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 白澤 邦男: "ハドソン湾南東部海氷下海洋境界層の観測的研究 III ー乱流強度、運動量、熱および塩フラックスの観測ー" 低温科学. 49. 37-51 (1990)

  • [文献書誌] 白澤 邦男: "薄氷域の大気境界層の観測(第3報) ー氷海観測塔による1990年冬の観測ー" 低温科学. 49. 25-36 (1990)

  • [文献書誌] LEGENDRE,L.: "Crystallographic Structure of Sea Ice along a Salinity Gradient,and Environmental Control of Microalgae in the Brine Cells." Journal of Marine Systems. 2. (1990)

  • [文献書誌] SHIRASAWA,K.: "Characteristics of the Turbulent Oceanic Boundary Layer under Sea Ice.Part 1:A Review of the IceーOcean Boundary Layer." Journal of Marine Systems. 2. (1990)

  • [文献書誌] SHIRASAWA,K.: "Characteristics of the Turbulent Oceanic Boundary Layer under Sea Ice.Part 2:Measurements in Southeast Hudson Bay." Journal of Marine Systems. 2. (1990)

  • [文献書誌] SHIRASAWA,K.: "Atmospheric Boundary Layer Measurwments over Sea Ice in the Sea of Okhotsk." Journal of Marine Systems. 2. (1990)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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