研究課題/領域番号 |
01045013
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 大学協力 |
研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
竹沢 誠二 横浜国立大学, 工学部, 教授 (10017874)
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研究分担者 |
NISHIMOTO Ka サンパウロ大学, 工学部, 助教授
TANIGUCHI Ce サンパウロ大学, 工学部, 教授
TACHIBANA To サンパウロ大学, 工学部, 教授
平山 次清 横浜国立大学, 工学部, 教授 (00018061)
井上 義行 横浜国立大学, 工学部, 教授 (60126373)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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キーワード | 海洋構造物 / 大深度 / 浮遊式 / 着底式 / 係留システム / 短波頂不規則波 |
研究概要 |
本共同研究は、海洋工学の一環として重要な位置を占める深海用海洋構造物の開発に関連してその性能推定法を、この研究分野で先進国である日本と、今や海底石油の有力な生産国となりつつあり大深度用海洋構造物を必要としているブラジルとで行ったものである。 初年度は先ずブラジルにおいて、日本から研究分担者を派遣して海洋構造物の基本性能および強度性能に関する調査研究、および海洋構造物の現地実態調査を行った.長期的には石油の値段は徐々に上昇すると考えられ将来は1000m級の水深での海底石油掘削および生産技術が求められ事は時間の問題である事、従って本研究の重要性が認識された。次に、ブラジルより研究分担者を招いて強度性能および深海溶接の可能性および問題点に関する調査研究および両国間の研究調整を行った. それらの結果、係留システム、セミサブ形状、建造、ライザ-管、テンプレ-ト、ジャケット、ROVなどの検討すべき事項が明かにされた。さらに大深度用海洋構造物に必要な位置保持も含めた基本性能および強度性能に関して、深、波、潮流などによる外力の組合せの違いによる極限状態への影響、すなわちそれらの複合作用を検討すべきである点などの問題点、研究すべき点等も明かにされた. 2年度は先ずブラジルにおいて、日本から研究分担者を派遣して海洋構造物の耐波性能に関する調査並びに実験を実施した.即ち特に着底式の海洋構造物の計算モデルを作るために、本形式についてはブラジルでも波浪中のみの実験は可能であるため実験を行うとともに海底油田生産現場で構造物の調査を行った. 次に複合外力(風、波、潮流)が与えられた時の浮遊式海洋構造物の動的特性を時間ベ-スに推定する計算モデルを作る為にブラジルより研究者を招聘し本学に於て共同研究を行った.計算プログラムとしては任意形状に対する復原力曲線の計算も追加した.また本学においても浮遊式海洋構造物の大深度における特性の確認実験を行った.更に時間ベ-スの計算プログラムによる計算結果を実験によるものと比較してほぼ実用出来るものであることが示されたと考えられる.又当初の予定に追加して最近本学で開発した短波頂不規則波造波機を使用して短波頂不規則波中での実験も追加した.その結果方向スペクトル波中での浮遊式海洋構造物の1次応答(波周波数領域)は方向分布が広くなるに従ってその有義値等は減少する事等が明かにされた.この事は浮遊式海洋構造物を設計する上で重要であるが一方,方向分布形状が長周期動揺に及ぼす影響も検討しておく必要がある事が示された. 最終年度は全体の取りまとめを考慮しつつ以下の研究を行った. 先ず前年度までの共同研究により作られた計算モデルを使用して浮体運動に関する数値計算を大深度を考慮して実施した.浮遊式海洋構造物については主として日本に於て行い、初底式澄洋構造物については主としてブラジルにおいて行なった.更にそれぞれ実験と比較しつつ精度を確認した.又短波頂不規則波中での応答実験を基にして方向応答関数を推定できる事も確認した.更に複合外力下かつ大深度用海洋構造物の性能推定法全体のとりまとめを行なった.そのため日本、ブラジル相互に研究者を派遣した. 以上の研究結果全体をまとめ以下の主要成果を得た. (1)500〜1000m級の大深度用海洋構造物の性能推定がほぼ可能である.(2)短波頂不規則波浪中での実験により方向周波数応答の推定は可能である.(3)短波頂不規則波中では運動応答は緩和される方向にある.
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