研究分担者 |
楊 有林 蘭州沙漠研究所, 工程師
〓 自立 蘭州沙漠研究所, 副教授
王 一謀 蘭州沙漠研究所, 副教授
宝音 鳥力吉 蘭州沙漠研究所, 教授
朱 震達 蘭州沙漠研究所, 所長教授
古川 郁夫 鳥取大学, 農学部, 助教授 (50032313)
田熊 勝利 鳥取大学, 農学部, 教授 (40032297)
河野 洋 鳥取大学, 農学部, 教授 (10032054)
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研究概要 |
中国の大河流域に分布する河岸沙地について,前年度は亜熱帯湿潤型沙地に属する長江支流域の南昌市郊外を調査した。本年度は,8月下旬から9月上旬にかけて温暖帯半湿潤型沙地に属する黄河下流域の禹城・夏津地区,および亜寒帯半乾燥型沙地に属する西遼河上流域の奈曼旗(ナイマンチ-)において現地調査を行った。 禹城・夏津地区は年平均降水量約600mmで,土壌は黄河の滞積物から成り,地形は傾斜がかなり緩やかで,畑面が平坦になるよう耕地が造成されている。水路は用排水兼用で,調査時期が雨季の末期であったため地下水が上り,排水が悪く,各地に滞水がみられた。禹城地区内には約1,100haの砂地があり,このうち887haが開拓され,150haは果樹園になっている。ブドウ,リンゴ,ナシなどの果樹のほか,落花生,コムギ,インゲンマメ,ゴマ等が栽培されているが,潅排水設備が不充分で高台は旱魃,低地は湿害をうけるため,作物の生産は不安定である。 奈曼旗では,リモ-トセンシングによる沙漠化ならびに緑化の経年変化の解析結果に基づく現地踏査を行った。リモ-トセンシング解析による緑地として,樹令40〜50年の広大なポプラ林が確認されたほか,点在する緑地は大木のリンゴ園であることが判明した。奈曼地区は年平均降水量は360mmで,約70%は沙地となっている。緑化と土地利用が進められているが,広大な砂丘地は未利用のまま放置されている。 一方,10月中旬に〓自立氏を鳥取に招き,鳥取砂丘および北条砂丘における砂丘農業の実態、ならびに鳥取県果樹野菜試験場における作物研究の現況を調査した。日本の進んだ砂丘地農業を見て強い印象をもったようである。
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