研究分担者 |
BIRKELAND Ch グアム大学, 臨海実験所, 教授
RICHIMOND Ro グアム大学, 臨海実験所, 助教授
酒井 一彦 琉球大学, 熱帯海洋科学センター, 講師 (50153838)
日高 道雄 琉球大学, 理学部, 助手 (00128498)
上原 剛 琉球大学, 理学部, 助教授 (20045016)
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研究概要 |
春〜夏に,瀬底とグアムで多種同時産卵型のサンゴ種の調査を継続した.また瀬底とグアムにおけるハナヤサイサンゴとショウガサンゴの幼生放出時期の調査に,あらたにトゲサンゴを加え,同種がショウガサンゴに似た生殖周期を持つことがわかった.ハナヤサイサンゴについては,冬季の生殖休止が低水温によるものかをしらべる実験をおこなった.結果を解析中である.(山里) 雌雄同体サンゴの自家受精率が産卵後の時間の経過により高まること,サンゴの種間交配の成功率がどちらの精子を用いるかにより相違すること,サンゴの受精率が海水の赤土汚濁度により著しく阻害されることがわかった.(リッチモンド) グアム産と瀬底産のショウガサンゴの刺胞の形態を比較して統計的に有意な差のあることがわかった.またハナヤサイサンゴの成体の異なる組織間や,成体と幼生の間に刺胞の組成に相違があることから,刺胞がサンゴの分類に有効であることがわかった.(日高) ナガウニの4タイプについて,形態学的,発生学的,生化学的知見から別種とすべきであること,種分化して間もないものであることという結論に達し,国際きょく皮動物シンポジウムで報告した.種分化の要因として核型の変化と生殖細胞不適合を提唱した.グアム産と瀬底産のナガウニの交配実験により,同一種内でも地理的変異が生じつつあることがわかった.(上原) サンゴ幼生のサンゴ群集への加入の地理的,季節的相違を調べるために,付着板を前年度は瀬底島周辺に雨期(春期)に設定し,本年度は乾期(冬季)のデ-タ収集につとめた.しかし,グアムにおける調節が天候不順のために不完全であったので,来年度において再度調査する必要がある.前年度のデ-タについてはひきつづき整理解析中である.(バ-クラント,酒井)
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