研究課題/領域番号 |
01045030
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
渋谷 健 東京医科大学, 医学部, 教授 (20074479)
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研究分担者 |
渡辺 泰雄 東京医学大学, 医学部, 講師 (70183720)
松田 宏三 東京医学大学, 医学部, 講師 (20074651)
佐藤 勝彦 東京医科大学, 医学部, 教授 (00133372)
SALAFSKY B. Univ. of Illinois College of Medicine at, Director p
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キーワード | Caイオンチャンネル阻害薬 / グリア-神経間相互作用 / グリア細胞定量法 / グルタミン酸 / グリシン / 初期培養ラット小脳顆粒細胞 / 中枢薬理効果 |
研究概要 |
脳神経細胞内イオンチャンネルに作用機序を有する薬物のうち、Ca拮抗薬の中枢薬理作用について行動薬理学的手法並びに培養神経細胞を用いた生化学的手法により考究し報告してきた。これらの研究からCa拮抗薬の中でも中枢効果の高い薬物と低い薬物との存在が明らかとなり、さらに中枢性Ca^<++>チャンネルとの薬理学的性質上の相違を明確化した。しかしながら、Ca拮抗薬の中枢作用発現にグリアー神経間相互作用が重要な役割を有することが示唆された。そこで(1)培養神経細胞におけるグリア細胞数の定量法を確立し、(2)本定量法によりグリア細胞数の判明した初期培養ラット小脳顆粒細胞におけるアミノ酸放出量に対する各種Ca拮抗薬の阻害効果を比較することにより、Ca拮抗薬の中枢効果発現と、グリア-神経間相互作用の関連性を追求した。結果:(1)グリア細胞数の測定は自動細胞スクリ-ナを用いて行なった。結果として、培養日数3、7、10、14及び28日の神経細胞とグリア細胞数の比はグリア細胞の増殖を抑制するAraーCの添加、未添加の違いにより、培養日数に従い明らかなグリア細胞の増殖の相違がみられた。興味あることとして、神経細胞の増量は10日以降においてはみられなかった。(2)(1)の結果をもとにして、培養日数10日における小脳顆粒細胞の高K液によるアミノ酸放出に対する各種Ca拮抗薬の阻害効果を比較検索した。神経細胞が約80%の培養細胞において、各種Ca拮抗薬(各lμM)の放出阻害効果は約70〜85%であった。しかしながら、グリア細胞が培養細胞中の30%以上存在する細胞ではdiltiazenを除くCa拮抗薬の阻害効果は約10%以上高くなった。以上の結果は、Ca拮抗薬の中枢効果発現にはグリア-神経細胞間相互作用が関与していることを示唆している今後の研究としてこれらの相関性をより明確化するつもりである。
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