研究課題/領域番号 |
01065002
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
福井 康雄 名古屋大学, 理学部, 助教授 (30135298)
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研究分担者 |
小川 英夫 名古屋大学, 理学部, 助手 (20022717)
河鰭 公昭 名古屋大学, 理学部, 教授 (60022513)
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キーワード | 電波天文学 / 星の形成 / 星間分子 / ミリ波天文学 / 星間物質 |
研究概要 |
機器開発 新4メートル短ミリ波望遠鏡の設計・開発を完了した。主鏡面精度として50μm rmsを上回る値が達成された見込である。最終的な性能の確認は、2年次のアンテナ制御装置の導入後行なう。 SIS受信器の開発は順調に進み、目標値50Kを大きく上回る雑音温度25K(DSB)が110GHzにおいて達成された。この受信器は現4メートル鏡に搭載されて既に観測に用いられており、総合システム温度として140K(大気こみ)という世界のトップの値が得られている。また、分光計1系統の組立調整、ソフトウエアの開発も順調に進んでおり、実験室で所期の動作が確認されている。 天体観測 本観測の準備として、これまでに得られている観測データをまとめるとともに、現4メートル鏡による予備観測を行なった。 オリオン座のL1641分子雲中の分子流天体の進化上の位置づけを行ない、分子流天体が質量降着期にある原始星であることを初めて観測的に示した。 予備観測は、おうし座、へびつかい座、セフェウス座、オリオン座他、について行なっており、すでに今年度6万点以上のデータを取得した。これらの分子雲はおおむねフィラメント状であり、磁場が分子雲の構造と進化において重要な役割を果たしていることが示唆される。特にオリオン座のL1641分子雲では、2本のフィラメントがスピン運動によって巻き込まれて合体している様子が見え、星生成の前段階である分子雲の形成の現場がとらえられた可能性が高い。
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