研究分担者 |
高橋 道子 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (70107712)
仙波 克也 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (40033550)
古屋 健治 山梨大学, 教育学部, 教授 (20020323)
内山 武治 静岡大学, 教育学部, 教授 (70022176)
八野 正男 聖徳大学, 人文学部, 教授 (80014819)
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研究概要 |
三歳児の行動を入園後1ヶ月,7ヶ月,16ヶ月の3段階にわたって追跡した。追跡観察した幼児359名の入園後16ヶ月(4歳学年1学期末)における観察評価目標到達人数割合は次の通りであった。 評価Aに相当した幼児の割合は,I運動能力(13項目平均〈以下同じ〉);90%,II社会生活能力(17項目)74.1%,III認知・理解(4項目)83%,IV基本的生活習慣(23項目)79%,V性格・情緒の発達(31項目)69%,全平均77%SD17で,3歳児は入園後1.5年以内に3/4のものが,評価目標を達することが分った。同時に,この中には入園後7ヶ月の評価でB段階にありその後9ヶ月の間にA段階に到達した15%が含まれること,反対に前の評価でA段階とされその後9ヶ月を経てB,Cと評価されたものが約7%,また,3回の評価を通じて評価不能とされたものが5〜16%あり,個人差の著しいことを示した。 28幼稚園の月別保育目標を構成するキ-・ワ-ドを ^1社会性, ^2生活, ^3興味関心,探索, ^4遊び・活動の4領域61項目に分類し、その月別分布を検討した。563キ-・ワ-ドの36%は遊び・活動に、26%が生活に関するもので、遊びと生活の重視が示された。この保育目標と保育の実践との関係を検討するため、教師による幼児観察の観点を調査した。三歳児担任教師43人に、発達評価88項目それぞれに対する要求レベルの記入を求めた。教師の3/4以上が一致して到着度Aを求めた項目は20/88で,この大部分は作業能力や基本的生活習慣に関するものであった。一方、性格・情緒の発達に関する評価基準には大きな違いが目立った。例えば「ガラスをはさんで両面からのぞくのを喜こぶ」項目では32%の教師がAレベルを目標とするのに対し49%の教師は不必要な観点であるとした。幼児の発達における個人差だけでなく、教師の幼児・保育観の差が大きいことを考慮し、43人による保育指導の実際を計画・実践・考察の項を定めて編集し、比較した。
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