研究課題
前年度の研究実績(1.通訳現象の言語学的検討、2.通訳養成機関への問い合せ、3.資料収集)にもとづき、さらに具体的・数量的デ-タの入手、分析につとめた。その結果以下のことが判明した。1.関連分献、先行研究については世界的にみてもその数が相対的に少なく、今後の本格的研究が必要である。現存する論文等については、まとめ、文献カ-ドの作成、通訳過程研究における問題の抽出できた。2.通訳教育の現状とあるべき姿について専門家に聞き取り調査を行ったうえ、具体的な方法論・問題点について整理を行った。3.通訳過程およびその訓練に関与すると思われる事について質問事項を作成し、合計120名にのぼる学生(語学を専門とする)に対し調査をおこなった。その結果、ある特定の訓練法(シャド-イング等)の有効性が判明した。4.同時通訳の実演(含シュミレ-ション)の分析をおこない、タイミング、ヒアリング等についての新たな知見が得られた。その詳しい内容については現在分析中であり、比較、分析、解釈は本格的な報告書としてまとめつつある。本年度は、先行研究が世界的に不足しているという事態もあり、相当程度に専門的、学術的な研究となった。その成果は報告書としてまとめる予定である。今後の展望としては、(イ)入手した数量的デ-タをさらに詳しく分析し、より学術的な深みのある研究、(ロ)入手したデ-タをもとに英語教育との関連を考察するという二つの方向が考えられる。