研究課題
過去2年間に及ぶ基礎調査には次の項目が含まれていた。内外の文献の収集、訓練機関に関する情報の収集、資質能力に関する実験、同デ-タの分析、専門家に対するアンケ-ト調査、通訳訓練法と英語教育の関連の調査など。本年度は以上の基礎研究をもとに入手したデ-タ類の分析を行なった。その結果として、400ペ-ジをこえる基礎研究報告書を作成した。調査研究の結果明確になった点としては、次のようなものがある。(1)言語の運用、特に外国語が関達する通訳作業に携わる者の性格的特長としては、物事に関する関心がきわめて広く、世界の出来事に強い興味をもつ傾向があった。(2)性格的には、さらに他人の状況を正確に把握できる等の感受性が豊かな傾向が濃厚に存在した。(3)外国語と日本語の運用能力に優れた者は、単に外国語の研磨に不断の努力を費やすだけではなく、日本語に対する絶え間ない研磨の努力を続けていた。(4)高度な英語の運用能力は、単に技術訓練が行き届いた結果というよりも、幅の広い知識や教養があって初めて成り立ちうる。(5)したがって語学の上達(含通訳教育)には技術的な訓練のみでは不足であり、統合的一般教養の必要性がある。(6)これと関連して、言語の意味内容を字面にとらわれることなく理解するという訓練が必要とされる。
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