研究課題/領域番号 |
01102023
|
研究機関 | 富山県立技術短期大学 |
研究代表者 |
田村 三郎 富山県立技術短期大学, 学長 (50011771)
|
研究分担者 |
松本 聡 東京大学, 農学部・農芸化学科, 教授 (20032295)
春原 亘 東京大学, 農学部附属農場, 教授 (60011954)
竹松 哲夫 植物科学情報研究所, 所長 (90007873)
高橋 萬右衛門 グリーンバイオ研究所, 所長 (30001358)
|
キーワード | 黄土高原 / 緑化 / 土壌侵食 / 半乾燥地 / 砂漠化 / 過放牧 / 耐乾性植物 / 土壌のクラスト形成 |
研究概要 |
昨年度の現地調査研究の結果に基づき、各分野で試験研究を実施した。1.気象 (1)上黄村観測露場において、気象観測を継続するとともに、3地点で局地気象特性の把握を進めた。(2)上黄村に凍結深度計を、雲霧山に地温計を設置し、冬季の地盤状態を検討する準備をした。 2.地形 (1)沖積段丘の地質層序の調査結果から、本地域の黒色腐植質土壌の形成期とそれに伴う気象変化を明らかにした(学術誌に投稿中)。 3.土壌 (1)山地斜面の土壌水分測定から、北斜面と南斜面の土壌水分の動態に明らかな差が認められた。(2)ラインメ-タ-実験で、無撹乱土層の方が土壌水分が高いことが示され、非毛管間隙が土壌水分保持に大きく影響すると推測された。(3)団粒化促進剤の施用により、土壌侵食速度・流出水量が20%減。コムギの収量が20-40%増となった。(4)河川水の水質分析から硝酸態窒素と鱗酸の濃度が著しく高く、雨水によって土壌からの洗脱が更に強まることが明らかになった。 4.草地 (1)345種について適応性試験を実施し、キク科・ムラサキ科、マメ科。イネ科の特に有望な20種が選抜された。(2)雲霧山の植生の異なる3箇所に放牧強度の異なる各4区を設け、刈取や放牧と植生との関係を検討した。(3)雲霧山の斜面の方位と植生・土壌の関連性について調査した。 5.作物 (1)最重要作物のコムギについて肥料X栽植密度の栽培試験を実施し、現地水分条件下でも肥料の効果が高いことを明らかにした。(2)コムギ根系の観察の結果、大部分が一次根からなり著しく発達が劣っていることが分かった。(3)ラインメ-タ-試験で出穂前後の潅水が収量に極めて大きい影響を及ぼすことが判明した。(4)コムギ700、オオムギ400種を始めとして、各種作物の適応性試験を実施し、有望種を見いだした。(5)農家の生産活動の実態を明らかにするため、上黄村11戸等の調査を行った。
|