研究課題/領域番号 |
01102024
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研究機関 | 国立科学博物館 |
研究代表者 |
今島 実 国立科学博物館, 動物研究部, 部長 (30000110)
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研究分担者 |
大堀 哲 国立科学博物館, 教育部, 部長 (30169057)
武村 重和 広島大学, 教育学部, 教授 (70112159)
坂本 昇一 千葉大学, 教育学部, 教授 (30009500)
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キーワード | 自然科学の実物観察教育 / 教授・学習法の開発 |
研究概要 |
今年度は昭和63年度に引き続き、標本資料の収集・整理を行うと共に昨年度に行った学習目標の達成のためのセット化に関する研究や発達段階別学習カリキュラムの研究に基づいて、教材セットを作成した。その教材セットは学習テ-マ「昆虫の一生」「身近な森の四季」「ブナ林の四季」の3項目である。その内容は、標本ボックス(標本と模型を組み合わせ生態系や生活史を表現した小ジオラマ)、補助教材(幼児・児童が顕微鏡等で観察するための標本や模型)、視聴覚資料(電子顕微鏡写真、スライド、VTR等)、発達段階別学習カリキュラム、学習シ-ト・解説シ-トを組み合わせたものである。 補助教材の整備については、プラスチック封入による標本作成、プレパラ-トの作成、ラミネ-ト加工標本の作成の研究に取り組んだ。特にプラスチック封入を用いての標本の作成では、封入するための標本の処理において真空凍結乾燥法を採用したこと、ステンレスの枠やシリコンラバ-を使用した鋳型を新たに考案したこと、仕上げにおいて透明度をあげるための研磨等の方法を工夫したことなど、かなりの成果を得た。その結果、幼児・児童が教材を取り扱ったり顕微鏡等で観察するのに耐え得るという、当初の目標を達成するに至った。 効果的な教授・学習法開発のためめの基礎デ-タの収集は、目下進行中であり系統的に分析するに至っていないが、各テ-マの教材セットとも幼児・児童が積極的に取り組めるものであることが認められた。特に標本ボックスは、学習の導入として幼児・児童の興味関心を高めるばかりでなく、指導者のはたらきかけいかんによって、様々な学習展開を可能にすることが分かった。
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