研究課題/領域番号 |
01102028
|
研究種目 |
総合研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岡田 善雄 大阪大学, 細胞工学センター, 名誉教授 (30029756)
|
研究分担者 |
浅野 朗 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (30029938)
大西 俊一 京都大学, 理学部, 教授 (00025272)
上田 重春 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (90068453)
赤松 譲 国立予防衛生研究所, 部長 (00072900)
田中 亀代次 大阪大学, 細胞工学センター, 教授 (80144450)
|
研究期間 (年度) |
1989 – 1991
|
キーワード | 細胞融合 / 膜融合 / HVJ / エンドソ-ム / 色素性乾皮症 / SSPE / 胚性幹細胞 / 遺伝子標的導入法 |
研究概要 |
生体膜融合に基礎のついては、(1)リン脂質合成の変異株を用いた研究からリン脂質組成が膜融合に重要であることが分かった。(2)HVJのFタンパク質そのF1サブユニットのN末端部分が細胞膜のコレステロ-ルと結合することが、膜融合に必須であることを明らかにした。(3)LDLのコレステロ-ルを増殖に必要とする細胞のなかから選別して、エンドソ-ム-リソソ-ム輸送の変異株を得ることに成功し、細胞内の膜融合の新しい解析系が出来た。(4)電気的膜融合の際には、細胞内のCa^<2+>が必要なこと、カルパインとは異なる内因性チオ-ルプロテア-ゼが必要なことが明らかになった。(5)HVJによる上皮細胞の融合でウィルスの作用部位と膜融合部位が異なることを見いだし、融合の為の情報が何らかの形で伝達されることが分かった。 細胞工学への応用に関しては、(6)班員間[田中、角田、岡田(善)]の共同研究により色素性乾皮症(XP)のモデルマウスが出来る見通しが立ったのが最も重要な成果である。XPのA群を正常に戻す遺伝子、XPAC、はDNA修復活性を示すためには、そのZnフィンガ-構造が必要であること、及び、核移行シグナルの存在と同定が、人工変異導入法で明らかになった。遺伝子標的導入法でマウス胚性幹細胞(ES細胞)のXPAC遺伝子を破壊し、これを胚盤胞に戻して体細胞キメラマウスを得ることに成功した。さらに、XPACの対立遺伝子を両方とも破壊したES細胞を得て、それがXP細胞と同様にDNA修復能に欠損をもつことを確認し、XPAC遺伝子を破壊されたホモ接合マウスが、上述のモデルマウスになる事を示した。(7)ES細胞由来の生殖系列キメラの有効な作製法、除核マウス未受精卵とES細胞の融合によるES細胞由来の個体を得る方法をほぼ確立した。(8)SSPEのジフテリア毒素封入リポソ-ムによる治療法を確立した。
|